ホロスコープにおける惑星の品位(エッセンシャル・ディグニティ)

12感覚と占星術

ホロスコープにおける天体にはそれぞれ「居心地の良いサイン」「居心地の悪いサイン」があります。

このサインと天体の関係を「天体の品位(エッセンシャル・ディグニティ)」といいます。

難しく思われがちな「品位」ですが、深刻に考える必要はありません。

惑星たちは、わたしたち人間と一緒だと思えばいいのです。

たとえば、あなたが外で運動することが好きな人なのに「ずっと家のなかで大人しくしていなさい」と言われれば辛いのと一緒です。

現代の占星術では品位はさほど重視されていませんが、品位もまた、ホロスコープを感じることができる、面白い切り口ですよ。

記事の最後には、品位と具体的なチャートについても言及しています。

品位(エッセンシャル・ディグニティ)の種類

品位にはいくつか種類があり、よく認識されているものは

  • ドミサイル
  • エグザルテーション
  • デトリメント
  • フォール

の4つです。他にも、

  • トリプシティー
  • ターム
  • フェイス

の3つが加わり、全部で7つあります。

品位(エッセンシャル・ディグニティ)の一覧

品位をすべて一覧表にまとめています。本記事では、すべての品位について解説をします。

画像が見にくい場合は、品位一覧表PDFよりご覧ください。

惑星の強さ(尊厳)を表す品位

惑星が「居心地がよい」「力を発揮できる」と感じる品位のことです。

強いものから弱いものまで、ドミサイル、エグザルテーション、トリプシティー、ターム、フェイスの5つがあります。

ドミサイル:影響度【大】

ドミサイルは、現在の占星術においてルーラーと呼ばれるものです。いわゆる支配星です。

たとえば、火星が牡羊座にあるとき、火星にとって「牡羊座」は自分の家です。惑星がいつでも帰るべきホームのことを、ドミサイル(ルーラー)と呼びます。

エグザルテーション:影響度【中】

エグザルテーションは「高揚」という意味で、この場所では惑星は「強化」「昇格」されます。

エグザルテーションは、ホームほとではないものの、のびのびと自己表現することができる場所です。

たとえば、愛の女神である金星は、ロマンチックで思いやりのある水のサインである魚座ではのびのびと自己表現ができます。

トリプリシティー:影響度【小】

各エレメントごとに「昼」「夜」「控え」として惑星を割り当てたものが、トリプリシティーです。惑星が、そのエレメントの「昼」「夜」「控」トリプシティーにあるとき、快適に過ごせる場所です。

※本記事においては、ルネッサンス期のギリシャで活躍したドロテーウスが提唱した伝統的なトリプリシティーを採用しています。他にも「控」を定義せず「昼」「夜」のみで定義されトリプリシティーもあり、そちらでは水サインが、昼♀:夜♂ではなく、昼♂:夜♂となっていることにご注意ください。

ターム:影響度【極小】

タームは「境界線」を意味します。タームでは、1つのサインを5つに分けます。なぜ分割するのか?いまやその理由は謎に包まれているのですが、ここではサインという王国を守る、王の5人の臣下がいることをイメージしてみてください。

それぞれに権力をもち、それぞれが領土を支配しているようなものです。

たとえば、山羊座のサインでは、山羊座の0~6度については金星という<臣下1>が、6~12度までは水星という<臣下2>が、12~19度までは木星という<臣下3>が、19~25度までは火星という<臣下4>が、25~30度までは土星という<臣下5>が、山羊座王国をまもっているのです。

フェイス:影響度【極小】

フェイスは、サインを10度ずつに区切ったシステムです。割り当てられる天体の順序は、土星→木星→火星→太陽→金星→水星→月となっています。この順序は「カリディアンオーダー」と呼ばれます。

惑星の強さ(尊厳)を表す品位の活用

現代の占星術において、特に影響度の小さいタームやフェイスを活用するのは、非常に困難かと思います。

ですが、ここで覚えておいていただきたいテクニックがあるので紹介します。

それは、品位の強さ・尊厳は累積的であるということです。

たとえば、蠍座の火星は、副支配星でありながら、トリプリシティーの夜に割り当てられています。そして、タームにおいて0~6度の領土を持ち、フェイスの0~10度の面を持ちます。

これはつまり、火星はとくに蠍座のはじめの度数において、非常に強く、威厳があるということです。

このように、品位を累積的に見る視点をもつと、複雑でわかりにくい品位を統合的によく理解することができます。

惑星の弱さ(衰弱)を表す品位

惑星が「居心地が悪い」「力を発揮できない」と感じる品位もあります。

デトリメント

デトリメントは、基本的にはドミサイルの反対の意味になります。惑星に支配権がなく、思うように力を発揮できません。

たとえば、双子座にある木星や、牡羊座の金星などです。

このとき、惑星自体が力を発揮できないのはもちろん、そのサインの感覚もまた弱くなります。

フォール

フォールは、エグザルテーションの反対のサインにあるときに、その惑星の本質的な力を表現することができない状況に置かれます。

たとえば、牡羊座の太陽はのびのびと自己表現ができますが、牡羊座の反対サインである天秤座では、太陽の表現力は抑制されてしまいます。

たいしかに一般的に、牡羊座が自己らしく生きること(太陽)を好む一方、天秤座は、自分らしさ(太陽)よりも「他者からどう見えるか」を意識する傾向はありますよね。

惑星の強さ(尊厳)と弱さ(衰退)の混在について

強さを表す品位と、弱さを表す品位、それぞれに同じ惑星が入っているケースがあります。

たとえば、蠍座の月は、フォールでありながらトリプリシティーの控えの品位です。

ですが、これは矛盾ではなく、現実の複雑さを反映しているものだと考えてください。

たとえば「ティファニーで朝食を」を書いた小説家であるトルーマン・カポーティは、月と土星が蠍座でコンジャンクションしています。彼は、幼いころに母親に育児放棄され、晩年はアルコール依存に苦しみました。また、太陽星座は天秤座で、太陽もまたフォールの位置にあります。

もちろん品位だけで読み解けるものではないのですが、人はそれぞれ、ある一面では強くもあり、また弱くもあり、複雑な存在なのだと思います。

カポーティの場合は、獅子座に金星と海王星がコンジャンクションしています。彼の月は明らかに欠乏していましたし、太陽の力も強くなかったでしょう。それゆえに素晴らしい作品が表現できたのかもしれません。

矛盾を超えて、感じるようにホロスコープを読むことができると、占星術はもっと自由に楽しくなりますね。

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