西洋占星術において、ハウスは重要な要素です。そのためホロスコープリーディングのためには正確な出生時間が必要です。
ですが母子手帳を失くしてしまったなどの理由で、出生時刻がわからないことがあります。
そういったケースのために、できる限り正しい出生時間を割り出す手法が、レクティファイ(レクティフィケーション)と呼ばれる技法です。
なぜレクティフィケーションが必要か
ほんの数分時間が違うだけで、ハウスの位置が変わってくるからです。また、それにともないアセンダントやMCといった重要な感受点もズレてきます。
正しい鑑定をするためには、できる限り正確な出生時刻が必要となります。
レクティフィケーションのやり方
- おおまなか時刻がわかっていて、数分単位で調整すればよい
- 全くわからない~数時間の幅がある
などの判明状況によって、時刻修正へのアプローチが変わってきます。
大雑把にしかわからない場合
昼だった、夜だった、朝方だったなど、できる限り情報を集めましょう。
そのうえで、次のようなことを点検して、その人のアセンダント・MC・ハウスに当たりを付けましょう。
時間が異なるとハウスが変わってくるので、ホロスコープの印象が全く違ってきます。
【印象や性格、体質から主にハウスをチェックする】
- 第一印象(アセンダントや金星など)
- 身体的な特徴や体質、病歴など(アセンダント、6ハウス、月など)
- お金の感覚(ハウスの位置調整。とくに2ハウス、火星、海王星など)
- 生まれ育った家庭環境(アセンダント、4ハウス、IC、土星、トランスサタニアン)
- お父様、お母様への印象(月、太陽、土星など)
- 何をしているときが楽しいか?(月、金星など)
- 苦手なこと、コンプレックス(土星など)
- 仕事に対する姿勢や職業(仕事に関するハウスや、水星、太陽、土星、トランスサタニアンなど)
- 結婚相手の特徴(主に7、8ハウス)
- 海外への縁の有無(主に9ハウス)
- 友人関係(主に11ハウス)
- スピリチュアルや神秘的なものへの関心(主に、9ハウス、12ハウス。火星や海王星など)
ほかにも、その人の性格・体質・印象などから得られる情報全てを使って、ハウスの位置調整をします。これによって、おおよそのハウスの位置と時刻のあたりをつけます。
分単位の調整
過去に起きた事件や経歴を洗い出します。
【過去の経緯から】
- 人生の転機となった出来事と時期
- 女性の場合は、出産(出産からさかのぼって妊娠の時期のほうが星の配置がわかりやすいことも)
- 人生で辛かった時期、悲しかった時期と出来事
- 幸せだった時期、楽しかった時期と出来事
- そのほか、特筆すべき経歴や出来事など
特定の出来事があったとき、とくに社会的な経歴の変動があったときのプログレスとトランシットの惑星と、MCとのタイトなアスペクトを調べます。
私自身の例だと、会社を退職した日、トランシット天王星(6ハウス)とネイタルMCがぴったりトラインでした。
これは、もし出生時刻が数分でもズレていたら、タイトなオーブ(1.5度以内程度)にはなりません。
こうした手がかりを照らし合わせていくことで、分単位の修正をしていきます。
他にも、アセンダントへのアスペクトも重要なのでチェックしていきます。
また、数分の差で月の位置が変わってきますので月のサビアンシンボルなども見ていきます。
レクティフィケーションまとめ
以上が、おおよその手順です。
レクティファイの手法は完全に確立しているとは言えず、占星術師によってもやり方が違います。
ですが、おおまかな手法としては上記に書いた方法で大丈夫です。