この記事では、占星術家の間でホロスコープ分析にたびたび利用される四大小惑星について記述します。
なお、四大小惑星は次の4つです。
- セレス
- パラス
- ジュノー
- ベスタ
セレス
セレスは、ローマ神話の農耕の女神の名前です。全ての人々に豊穣をもたらす大地母神です。ギリシャ神話のデーメーテールと同一視されています。
セレスの意味・読み方
その神話の役割通り、ホロスコープにおける小惑星セレスは「養育者」の象徴となっています。親が子に与えるような「無償の愛情」を表します。母性的な意識ですが、必ずしも自分の子どもだけではなく、他人であっても援助を求める全ての人に向けられる可能性があります。
また加えて、自分自身の内側の未発達な意識や才能、長期的な仕事や芸術作品などを育てることもあります。
ホロスコープのなかでセレスが強調されている人は「無償の愛」をストレートに表現する人になりやすいようです。
パラス
パラスはローマ神話の最高神ジュピター(ギリシア神話のゼウス)の娘です、女神・アテナ(アテネ)の別称です。射手座のイメージがある女神でしょう。
父親の頭から甲冑と、槍と盾で武装した姿で生まれてきたと言われます。武装した姿で飛び出してきたため、自己防衛の女神とも言われます。
そのため「都市の守護女神」として崇拝されて来ました。創造的で平和を愛する美しい女神であったいわれます。
パラスは決して攻撃的ではなく、先制攻撃をすることもありません。自分と自分の愛する人たちを守る戦士の女神です。哲学者でもあります。
そのためパラスは、知恵と戦争(攻撃をされたときに自己防衛する)、工芸をつかさどる女神でもあります。布と針と糸によって、永遠に残る美しさを持つものを作り出します。
美形でありながら、男性との性的な交わりを一切拒絶したともいわれます。
パラスの意味・読み方
この女神の名前を与えられた小惑星パラスは、内面の男性性と女性性の融合を図り、両性具有的な精神に向かおうとする意識を象徴すると考えられています。男性性と女性性の葛藤としてもあらわれます。
ホロスコープのなかでパラスがどのようなコンディションであるかを見ることによって、個人のジェンダーバランスのあり方などを読むことができます。パラスとのアスペクトにも、その人物の性意識などが表れるでしょう。
また、パラスは知恵の女神であり、自己防衛の女神でもあります。パラスは武装しています。飛び出してきたのです。パラスは職人でもあり、機織りの技術に関連している。パラスのシンボルは賢明なフクロウです。彼女は自分自身と大切な人を守る役割を担っており、布を愛し、針と糸を巧みに操ることで、永遠に残る美しさを持つものを作り出します。
ジュノー
ジュノーは、ローマ神話の最高神ジュピター(ギリシア神話のゼウス)の妻です。ギリシア神話のヘラと同一視されます。ジュノーは、結婚と家庭生活を守る女神です。天秤座のイメージがある女神でしょう。
ジュノーの意味・読み方
ホロスコープにおける小惑星ジュノーが示すのは、平等で、互いにサポートしあうことができる、深く親密な関係性です。
そのためジュノーは、夫婦やパートナーシップに関連する天体であると考えられます。
ジュノーの配置は、私たちの結婚観や、結婚関係に何を望むか望まないか、あるいはそもそも結婚したいかどうかといったことを示すことがあります。
男女だけではなく、1:1の重要な人間関係のなかで、その人間関係を強化することや、相手の立場を理解することなどを促す機能を持ちます。
良好な人間関係の形成には、ジュノーが一役買っていることもあります。出生図におけるジュノーの状態を読むことで、その人のパートナーシップに関する姿勢や欲求などを知る手がかりが得られます。
ベスタ
ベスタはローマ神話における、聖火を守る かまど の女神。「聖なる火」を絶やさぬように、ひたすら見守ることが職務でした。永遠の炎を司る女神であり、ギリシア神話のヘスティアと同一視されます。
古代ギリシアのすべての都市において、彼女の祭壇として暖炉が設けられ、厚い信仰の対象となっていたと言われます。家庭を生き生きと、安全に、健やかに保つ存在です。
また、私たち自身の中にある炎であったり、私たちに生命の輝きを与えてくれる炎を、神聖に表現している存在でもあります。
ベスタの意味・読み方
このような神話や歴史の背景から、ホロスコープにおける小惑星ベスタは、私たちが家庭や家族に対してどのような感情を抱いているかを示します。
そして同時に、ベスタは私たち自身の中の炎でもあります。それは夢をしようとする野望の火でもあり、困難な世界で生き残り続けたいという願いです。
私たちの人生において最も暗い日であっても、ベスタによって精神の火を保つことができます。その炎は私たちを導き、人生における目標の達成と、夢の実現の喜びを教えてくれます。
ベスタは私たちの内なる光であり、私たち自身の内なる生命なのです。
またベスタは、ローマを存続させるために炎を絶やさぬよう献身する必要がありました。そのため、恋愛を禁じられていました。そうした処女性ゆえに、ベスタは恋愛については示しません。恋愛とは切り離されたところにある、その人自身の内なる光を表すのです。
そのためベスタは、内なる炎を輝かせる方法や、その炎に導かれて自分の道を見つけていくことに関わります。使命感を持ち、目標を達成していこうとする意志も象徴します。
出生図におけるベスタのサインやハウス、アスペクトなどを分析することで、その人物の内なる炎を発揮できる事柄などを知る手がかりが得ることができます。
また、ベスタの意識は実際の仕事に向けられるケースが多いですが、特定の人間関係や趣味、ボランティアなどに没頭するという形で表れることもあるでしょう。