ホロスコープを読むには、まずはマーク(記号)を覚える必要がありますね。
この記事では占星術で使う記号について、できる限り本質的に解説をしていきます。
星座記号
12星座それぞれに星座記号があります。最初に12個、覚えてしまいましょう。覚え方のポイントと本質的な意味についても解説します。
また『瞑想と祈りの言葉』(ルドルフ・シュタイナー/西川隆範)より『十二の気分』の12星座の詩も紹介します。星座のもつ「気分」を感じてみてください。
牡羊座(おひつじ座)のマーク・記号
羊の角の形と覚えましょう。牡羊座の記号は、天から地への受肉のプロセスでもあり、同時に地上での「萌芽」でもあります。
そして過去の記憶も未来の記憶も包み込む、頭(脳)を示しています。
牡羊座
光の輝きよ、生まれよ。生成存在をつかめ。力の活動をつかめ。存在を呼び覚まし、輝け。抵抗に打ち勝ち、時の流れのなかに溶け去れ。光の輝きよ、とどまれ。
牡牛座(おうし座)のマーク・記号
牡牛にも角が見られますが、牡羊とは違って器のような受け止める形をしているのが特徴です。
牡羊座が天から受け止めた啓示を、牡牛座の内部で受け容れるプロセスが示されています。
牡牛座
明るくなれ、存在の輝きよ、生成の力を感じ取れ。存在する世界存在のなか、沈思する啓示のなか、輝く存在認識のなかで、生命の糸を織りなせ。存在の輝きよ、輝け。
双子座(ふたご座)のマーク・記号
双子座の示す双子は、ギリシャ神話におけるカストルとポルックスに由来します。
この双子はゼウスの息子ですが、兄のカストルは人間であり、弟のポルックスはゼウスの血を引いた神の子でした。
あるとき戦いで兄のカストルだけ死んでしまいました。そこでポルックスはゼウスに頼み、自分の不死の半分を兄に分け与えました。
そして双子の兄弟は一年の半分は神として天で過ごし、残りの半分は地上で人間として暮らしているとされています。
これによって兄のカストルは、今まで自分が生きてきた地上だけじゃなくて、天上世界もあるんだということを知りました。要するに、一人の人間が世界を広げ、いろんな世界があることを知るということが双子座の寓意なのです。
また、牡羊座と牡牛座は左右対称でしたが、双子座になると上下対称の要素が加わり、点対称のシンボルとなります。中心となる点を持るようになります。
これは天地に縛られないということです。中心を持つということは、左右上下が自由に使える形であり、人間らしい自由さも示します。
双子座
太陽存在よ、みずからを開け。休息の衝動を動かせ。力強い生命の支配、至福に満ちた世界掌握、実りある生成の成熟への努力の喜びを持て。太陽存在よ、不変であれ。
蟹座(かに座)のマーク・記号
蟹座の記号は「陰陽」を表すとも言われますし、内側へ閉じるマークだとも言われます。
また空間配置として、基本的には左側が過去、右側が未来を示します。
蟹座は過去と未来に意識が向かいながらも、一番大事なものを抱きかかえるような形になっています。
また渦巻きは、宇宙の音楽も示します。天の調べを聞き取る力もまた、蟹座に関係します。
蟹座
やすらかな明かりの輝きよ、生命のぬくもりを生みだせ。魂のいとなみを暖めて、力強く自己を示し、精神的に自己を貫いて、やすらかな光をもたらせ。明かりの輝きよ、強まれ。
獅子座(しし座)のマーク・記号
獅子座は「人間」のシンボルでもあります。頭があり、今まさに立ち上がろうとしている「人」の象徴でもあります。
そして獅子座のシンボルは3つの部位に分かれ、それぞれ人間の頭部、胸、手足を示しています。
胸(心臓)の部位が最も大きく膨らんでいおり、獅子座的人間観を表しています。
獅子座
感覚の力をもって生成された世界存在よ、感じる本質を 意志する存在の決意へと貫流せよ。流れる生命の輝きのなかで、活動する生成の苦しみのなかで、感覚の力をもって生ぜよ。
乙女座(おとめ座)のマーク・記号
乙女座のシンボルは、蠍座と似ているのですが最後に左へと「はらう」のが特徴です。
過去(左)から未来(右)に向かってやってきた情報を最終的に丁寧に繊細に分析し排出する様子が描かれています。
スマホでスワイプしていく際には、画面上で指を左側に払うと思いますが、その動作のイメージです。
乙女座
魂よ、諸々の世界を見よ。魂は世界を把握し、精神は本質をつかめ。生命の力から活動し、意志体験のなかで築き、世界の開花を信ぜよ。魂よ、諸々の存在を認識せよ。
天秤座座(てんびん座)のマーク・記号
天秤の形が描かれていると同時に、上(天、霊的な世界)と下(地上)とにバランスよく開かれている様子が表されています。
また、天秤座は「触覚」に関連するサインです。
天秤座の記号の下のラインは「運ぶ」、そして上のラインは「一度持ち上げて、降ろす」動作を示します。つまり赤ちゃんを抱きあげで運ぶ「抱っこ」の動作を示しているという説もあります。
天秤座
諸世界が世界を支える。本質のなかで本質がみずからを経験する。存在のなかで存在がみずからを包む。そして本質は本質を獲得し、生成していく行為を注ぎ、やすらかに世界を享受する。世界よ、世界を担え。
蠍座(さそり座)のマーク・記号
おとめ座と似ていますが、しっぽに毒針があるのがさそり座です。
また、蠍座は鷲もシンボルとして持つため最終的に飛翔します。だから最後の矢印は上部へと向かう形となっています。
またこれは、過去(左)から未来(右)へ向かってやってきた情報から、本質だけを抽出した様子が描かれています。
蠍座
存在は本質を焼き尽くす。しかし本質において、存在はみずからを保つ。活動において、生成が消え去り、生成において、活動がとどまる。罰を下す世界の支配のなかで、自己ー形姿のなかで 本質は本質を保つ。
射手座(いて座)のマーク・記号
矢印は明らかに蠍座から引き継いだものです。
蠍座が非本質的なものを捨て本質を抽出し、そこから射手座は霊的真実に向かって矢を放ちます。
下半身が馬で、上半身が射手のケンタウロスをシンボル化したものでもあります。
射手座
生成は存在の力に達し、存在するもののなかで、生成力は死滅する。達成されたものは努力の喜びを 活動する生命意志力のなかに含む。師に置いて、世界支配が実り、形は形のなかに消え去る。存在するものよ、存在するものを感ぜよ。
山羊座(やぎ座)のマーク・記号
12星座で一番複雑な記号ですよね。
山羊座の記号は、3つの部位に分かれています。
下部が「過去生」中間が「現世」上部が「来世」を示すそうです。
下部の丸まっているところが「カルマ」の渦です。原因があり結果がある、という山羊座の世界観を表しています。
山羊座
未来よ、過去にやすらえ。過去よ、未来を 力強い現在へと感じ取れ。内的な生命の抵抗のなかで 世界存在の監視が強まり、生命活動力が開花せよ。過去よ、未来を担え。
水瓶座(みずがめ座)のマーク・記号
電波のような近未来的な記号です。
実は、上部の波が理想の「未来の人間像」であり、下の波は「それに倣う人間の姿」です。
波には山と谷をあわせて合計5つのコブがあり、5=人間の象徴でもあります。
水瓶座
境界のあるものよ、境界のないものの犠牲になれ。境界を失うものよ、深みにおいて、自信の境界を築け。流れのなかで高まり、波として流れつつ、みずからを保ち、生成のなかで存在へとみずからを形成せよ。境界のないものよ、みずからの境界をつけよ。
魚座(うお座)のマーク・記号
魚座は、左の弧と右の弧が一本の線で結ばれています。
これは霊的世界と魂を結ぶという意味でもあり、今世と来世を結ぶという意味でもあります。
魚座
消失したもののなかに、失われよ。獲得のなかで、獲得を失え。把握されたもののなかに、把握しようとせよ。そして、維持されるもののなかに保たれよ。生死を通して、存在へと高まれ。存在をとおして、生成へと織り込まれよ。消失が、みずからのための獲得であれ。
天体・惑星記号
次に、占星術で使われる10の惑星記号です。
月のマーク・記号
月の記号は、月の形です。魂を表す形とも言われます。
水星のマーク・記号
ギリシャ神話における知と情報の神ヘルメスが被った兜あるいは翼の生えた靴、あるいは杖を示すとも言われます。
金星のマーク・記号
ローマ神話の愛と美の女神であるヴィーナスを示す記号です。現在は、女性の性別記号として使われています。
太陽のマーク・記号
古代エジプトで太陽神ラーのシンボルとして、この記号はすでに使われていました。
火星のマーク・記号
ローマ神話における戦の神であるマルスを示すシンボルです。現在では男性の性別記号として使われています。
木星のマーク・記号
ギリシャ神話の最高神ゼウス(あるいはローマ神話におけるジュピター)の雷、あるいは雷霆(ケラウノス)を示すとも言われる。
太陽系において地球をのぞき4番目の惑星(1.水星、2.金星、3.火星、4.木星)であることから、数字の4という説もある。
土星のマーク・記号
ギリシャ神話におけるクロノス(ローマ神話における農耕神サートゥルヌス)の持つ大鎌のシンボルとも言われる。また、クロノスはゼウスの父親にあたる。
太陽系において地球をのぞき5番目の惑星(1.水星、2.金星、3.火星、4.木星、5.土星)であることから、数字の5という説もある。
天王星のマーク・記号
天王星の発見者であるハーシェルの頭文字である「H」が使われています。
海王星のマーク・記号
海神ポセイドンの三つ又の槍のマークです。
冥王星のマーク・記号
冥王星には複数記号があり、この図の記号以外にも、冥王星(プルート)のPとLを繋げた、♇の記号も使われます。