占星術自体は、はるか昔から存在します。古典占星術という言葉もあるくらいです。
一方で『心理占星術』は比較的近年になって確立された分野です。
心理占星術とは何か?
一言で言うと、心理学の思想や手法を取りいれた西洋占星術です。特にユング心理学の流れを汲んでいます。
そのため、心理占星術を習得するためには、占星術の知識に加えて心理学の素養が必要となります。
心理占星術の特徴
心理占星術における代表的な考え方を紹介します。
心の4つの機能とエレメント
心とエレメント・星座にも、心理学的関連があります。心の機能の定義
ユング心理学においては、心の機能を次の4つに定義しています。
- 直観機能
- 五感ではとらえられない総合的な判断
- 感覚機能
- 現実に存在するものを五感でとらえ、快・不快で判断する
- 思考機能
- 情感よりも論理を重視して、合意的に考える働き
- 感情機能
- 論理より情感を重んじ、好き嫌いで判断する
これらの心の機能を、4つのエレメントに対応させて考えるのが心理占星術となります。
直観機能
火の星座に対応。牡羊座、獅子座、射手座
感覚機能
地の星座に対応。牡牛座、乙女座、山羊座
思考機能
風の星座に対応。双子座、天秤座、水瓶座
感情機能
水の星座に対応。蟹座、蠍座、魚座
心の構造と、惑星の対応
通常の西洋占星術と、心理占星術の大きな違いとして、惑星に対する考え方があります。
占星術においては、惑星のエネルギーは宇宙構造と対応するものとして考えます。一方、心理占星術においては、心理的なエネルギーとしてとらえます。
たとえば、心理占星術においては、惑星を次のように定義しています。
個人レベルの意識
太陽と月
個人レベルの無意識
水星、金星、木星、土星
集合無意識
天王星、海王星、冥王星
無意識の影:シャドウ
シャドウとは意識のなかの影の部分です。本来、あまり人が見たくない部分でもあります。
そして心理学において、よく知られた現象として「シャドウの投影」というものがあります。
たとえば、人が悪口を言っているときには、他者を非難しているようで実際は自分のシャドウ(心の影の部分)を他人に投影していると考えるのです。
そして、心理占星術においては、土星の状態からあなたのシャドウを見つけ出そうとします。
たとえば、土星が牡羊座にあれば
- 牡羊座的な率直な生き方に対して、恐れを抱く
- あるいは、過剰に牡羊座的であろうとして、自己中心的になりすぎる
など、シャドウの影響を考慮する、といった方法でホロスコープを読んでいきます。
カイロンに見る心の傷
心理学においては心の傷や、トラウマについても考慮されます。
そして心理占星術においては、小惑星カイロン(キロン)を見ることによって、その人の深いところにある傷にアプローチしようとします。
まとめ
心理占星術とは、心理学的アプローチと占星術が融合したものです。
占星術の世界とは基礎は同じですが、途中から道が分かれていきます。
自分にとってより良い占星術の道を見つけてくださいね。
心理占星学を学ぶための書籍
心理占星学で有名な本です。ユング心理学との関連がわかりやすく説明されています。
また翻訳本ではなくもともと日本語で書かれていることから、読みやすい一冊です。