三つ以上の天体により形成される複合アスペクト。複合アスペクトでは幾何学図形が描かれ、アスペクトのエネルギーがさらに強まります。複合アスペクトの強烈なエネルギーは、人生に強い影響を与えるでしょう。
今回は、その中でもハードなアスペクトの一つである「Tスクエア」について詳しく解説します。
Tスクエアとは
Tスクエア(T-Square)は、オポジションで180度で結ばれる2つの天体と、オポジションの2つの天体どちらからもスクエア90度の位置にある天体によるアスペクトです。
この3つの天体により、二等辺三角形が形成されます。
3つの天体が「T」の字を描くように配置されていることから、Tスクエアと名づけられています。
Tスクエアのオーブ
スクエア90度の辺:太陽・月の場合±8度、そのほか±6度
オポジション180度の辺:太陽・月の場合±8度、そのほか±6度
以上を目安としてください。
Tスクエアの調べ方
- アスペクト表示のあるホロスコープ作成サイトで、出生図(ネイタルチャート)のホロスコープを作成します。
◆ホロスコープ無料作成サイト
https://www.astro.com/horoscope/ja - オポジションを形成する辺を底辺にして、二等辺三角形が形成されているかを確認します。
- オポジションの両天体とスクエアを形成している天体があれば、Tスクエアです。
Tスクエアの特徴
Tスクエアの大きな特徴として、3つの天体のサインが3区分で同じクオリティ=活動宮・固定宮(不動宮)・柔軟宮に属することあげられます。
活動宮 | 牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座 |
固定宮(不動宮) | 牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座 |
柔軟宮 | 双子座・乙女座・射手座・魚座 |
アスペクトを形成するすべての天体が同じクオリティ(柔軟宮、固定宮、活動宮)に属しているということは、クオリティの特性やエネルギーが強調されます。そのため、Tスクエアの詳しい意味は、3つの天体がどのクオリティに属しているかから知ることができます。
オーブの関係で、3つの天体が同じクオリティではない場合は、スクエアの頂点天体のクオリティを基準に読み解きます。
グランド・クロスとの違い
Tスクエアと同様に、アスペクトを形成する天体が同じクオリティに属するものに、グランド・クロス(大十字)があります。
グランド・クロスが4つのサインすべてでアスペクトが形成されるのに対して、Tスクエアはサインが1つ欠けた3つのサインから形成されます。Tスクエアは第4の天体がないため、構造上、グランドクロスに比べると安定性が低いと考えられます。
グランド・クロスを持つ人は、内面に大きな葛藤を抱えながら、同時に強固な土台と強さも持っています。
また、グランド・クロスのサインのクオリティの特徴から、独自の課題やストレス、あるいは強みがもたらされます。
グランドクロスは火・風・水・地の4つの異なる力のレメントを持っているため、4つのエレメントを自分なりにバランスよくを取り扱えるようになると、グランド・クロスの恩恵を受けられようになります。
一方、Tスクエアは、グランドクロスのように自分なりのバランスを見つけるというよりは、常に行動をしていくことで自分を磨いていきます。
Tスクエアの意味
Tスクエアは、オポジションとスクエアの組み合わせによる複合アスペクトです。
Tスクエアを持つ人は、オポジションが生み出す緊張感とスクエアによる葛藤が働き続けます。そのため、才能や技術をより良くするために、常に向上心に満ちあふれ、努力し続ける傾向があります。
成長の道は平坦ではありません。試行錯誤をしながら途中で二転三転と方向転換をする事もあります。ですが、そうした不断の努力によって、能力が磨かれます。
叩きあげで出世したり、成功する人のなかには、Tスクエアを持つ人も多いです。長年苦労しながら努力して腕を磨いてきたタイプなので、どこか威厳が漂う雰囲気の人もいます。
Tスクエアにおけるオポジション天体
Tスクエアにおけるオポジションを形成する2つの天体は、相反するエネルギーとその緊張を象徴します。2つの天体のバランスを取ることが、個人の成長と発展に重要な役割を果たします。
Tスクエアの頂点天体
オポジション天体とスクエアを形成する天体は、頂点天体と呼ばれます。Tスクエアにおける頂点天体は、Tスクエアのエネルギーや推進力が沸いてくるポイントです。
オポジション天体による緊張と対立を解決する鍵となり、努力していく上での動機となる重要な天体となりますが、しばしば大きなプレッシャーを受けます。
Tスクエアを持つ人々は、人生の中でバランスを取り、障害を克服するためのテーマに直面することがあります。これは、自己と向き合いと障害の克服を促し、個人が内なる力を発揮することにつながるでしょう。
頂点天体は、自己の内面における葛藤や外部からの課題を象徴すると同時に障害を克服することによる学びの可能性を提供します。
活動宮のTスクエアの意味
活動宮:牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座
※3つの天体が活動宮ではない場合は、頂点天体が活動宮の場合に対応しています。
Tスクエアが活動宮の場合(あるいは頂点天体が活動宮の場合)、「どう行動していくか?」が、人生の課題の中心となる可能性があります。
たとえば、「衝動性とどう付き合うか?」など自己実現欲求と現実とのバランスを取っていくことが必要になるでしょう。
個人の信念を見つけることができたときに、Tスクエアの推進力は強調され、リーダーシップを発揮していくことにつながります。
活動宮のTスクエアを持つ有名人
※カッコ内は頂点天体
加山雄三(牡羊座太陽)
さだまさし(蟹座天王星)
新庄剛志(山羊座水星)
菅田将暉(蟹座火星)
スティーブ・ジョブズ(蟹座天王星)
ロンドンブーツ1号2号 田村淳(山羊座金星)
手越祐也(蟹座月)
L’Arc〜en〜Ciel Tetsuya(天秤座太陽)
ピーコ(天秤座海王星)
美空ひばり(牡羊座金星)
柔軟宮のTスクエアの意味
柔軟宮:双子座、乙女座、射手座、魚座
※3つの天体が柔軟宮ではない場合は、頂点天体が柔軟宮の場合に対応しています。
Tスクエアが柔軟宮の場合(あるいは頂点天体が柔軟宮の場合)、適応性と思考の統合が重要です。
高い適応性や順応性がありますが、それゆえに一貫性に欠けるように感じてしまうことがあり、自己矛盾や不安定さが課題となることがあります。
挑戦を通して精神的なバランスを見つけ、自分の中に調和を創り出していくことができるといいでしょう。
物事に集中するのが苦手な傾向がありますが、精神や思考のバランスが取れるようになると、次第に焦点を絞ることができるようになっていきます。
柔軟宮のTスクエアを持つ有名人
※カッコ内は頂点天体
安達祐実(射手座海王星)
オノヨーコ(射手座月)
KinKi Kids 堂本剛(射手座海王星)
仲間由紀恵(射手座水星)
広末涼子(乙女座土星)
薬師丸ひろ子(双子座月)
渡部健(双子座土星)
固定宮(不動宮)のTスクエアの意味
固定宮(不動宮):牡牛座、獅子座、蠍座、水瓶座
※3つの天体が固定宮ではない場合は、頂点天体が固定宮の場合に対応しています。
Tスクエアが固定宮の場合(あるいは頂点天体が固定宮の場合)、自己価値の認識と持続性が重要です。
Tスクエアが固定宮の人は、もともと一貫性があります。目標に向かって長期的な努力を続けることができ、安定性があります。
ただし変化への抵抗感が強く、抵抗感が既存の物ごとに対する固執や頑固さとして表れることがあります。強い意志を維持しながらも、適切な変化を取り入れていくバランスを見つけることが課題となっていくでしょう。
固定宮のTスクエアを持つ有名人
※カッコ内は頂点天体
ASKA(水瓶座金星)
イチロー(水瓶座木星)
さくらももこ(獅子座月)
篠原涼子(牡牛座火星)
中川翔子(水瓶座木星)
星新一(蠍座土星)
松田聖子(水瓶座土星)
松村潔(牡牛座木星)
具体的な読み方の例
たとえば松田聖子さんの頂点天体の土星は水瓶座7度に位置し、サビアンシンボルは「水瓶座8度:美しい衣装を着た蝋人形」です。
このサビアンシンボルの意味は、人々の「美的基準」や「当たり前の基準」を引き上げてアップデートすること。年齢を重ねてもなお、あれほどの美貌を維持されてきた並々ならぬ努力が感じられますよね。
Tスクエアを活かすには?
Tスクエアは、3つの天体で形成されるため、同一クオリティの4つのサインのうち1つのサインが欠けている状態であるとも言えます。欠けているサインの性質は、Tスクエアを補完する性質です。
- 活動宮の場合:衝動性をリーダーシップに変えていくための要素
- 柔軟宮の場合:思考のバランスを取るための要素
- 固定宮の場合:頑固さを受け容れる力に変化させていくための要素
このように「クオリティの中の欠けているサイン」が、新たな視点をくれることがあります。
またTスクエアは、クオリティによって課題が違うため、自分の課題を認識していくことも大切でしょう。
シナストリーチャートでTスクエアがある場合の相性
Tスクエアは、シナストリーチャートにおいても重要な役割を果たします。
シナストリーチャートにおけるTスクエアは、関係性における緊張や潜在的な対立を示す場合があります。
この配置は、二人の間の力の均衡やコミュニケーションの問題を浮き彫りにすることがあります。
たとえば、一方の人物の水星が相手の火星や水星とスクエア(90度の角度)にある場合、コミュニケーションの問題が生じる可能性があります。
一方で、Tスクエアは必ずしもネガティブな影響をもたらすわけではありません。たとえば、金星と火星の間のスクエアは強い性的魅力や恋愛関係における欲求を示すことがあります。
シナストリーチャートにおけるTスクエアは、関係性における緊張や挑戦を表すかもしれませんが、同時にそれを乗り越えることで、個人的な成長や関係性が深めていけるアスペクトと言えます。