毎年、3月20日頃に祝日となっている春分。春分が何の日で、どんな過ごし方をするといいかをご存じですか?
春分(しゅんぶん)は二十四節気のひとつで、季節の変わり目を示す大事な日ですが、西洋占星術においても大事な意味がある日です。
春分の暦上の意味に合わせて、ホロスコープにおける意味や、西洋占星術的にはどんなことに意識して過ごすと良いかについて紹介します。
春分(春分日)の意味
春分は、昼と夜がほぼ同じ長さになる日で、春分から夜の長さと昼の長さが逆転することから、春の季節の到来を象徴する日であるとも言えます。
春分はいつ?
天体の動きに合わせているため、その年によって春分の日は異なります。
ですが、3月20日か21日が春分の日となることが多いです。
西洋占星術における春分
西洋占星術を学ばれている方のために、さらに詳しく説明をしますね。
まず、春分の天球図を見ていきましょう。
春分とは、太陽が春分点を通過するときのことです。また、その日が春分日となります。
春分点というのは、天の赤道(地球の赤道を拡大したライン)と黄道(太陽の一年の見かけ上の通り道)の交わる点のうち、太陽が南から北へと昇る方の交点のことです。
文章で説明すると、わかりにくですよね。以下の図に赤い字で春分点と描いてある箇所です。
そして、この春分点を太陽の中心が通る瞬間が春分となります。
そして春分点は黄経0度といって、黄道の始まりの位置となります。
ですから、西洋占星術的には春分点がスタート地点なのです。
そして黄経0度は、西洋占星術のサインであるおひつじ座の0度に定められています。
※ただし、実際の空の星座は歳差運動の関係で、春分点はうお座にあります。
春分の日は、宇宙元旦と呼ばれることも
春分の日は、宇宙元旦と呼ばれることもあります。
実は「宇宙元旦」と言う言葉は、西洋占星術の正式な言葉ではありません。
占星術師のKeikoさんが最初に使い始めたことで、広まった言葉のようです。素敵な言葉ですよね。
西洋占星術では、太陽の見かけ上の通り道(黄道)を12等分にしたサイン(星座)を用います。
サインの始まりである牡羊座に太陽が入る日が、春分にあたります。そして春分は、西洋占星術的には、太陽を通じて宇宙のエネルギーを受け取り始める日。
そうしたことから、春分の日を宇宙元旦と呼んだのかもしれません。
宇宙元旦という言葉は、宇宙の1年が始まる日という印象がありますが、ここまで見てきたように、実際の春分は、宇宙そのものの始まりの日というよりは、地球と太陽の位置関係によって決まります。
ですから、個人的には地球元旦という言葉がしっくり来てます。
ですが、宇宙元旦という言葉が広まり、普段、占星術をやらない方までもが春分という占星術的なスタートの日を祝ってくれることは、占星術を愛するものとして、とても嬉しいことです。
春分日に何が起きるの?
天球図を見るとわかるのですが、赤道という地球の地軸に対して水平なライン(=地球・大地)と黄道という1年間の太陽の軌道(=宇宙・太陽)が交わる箇所が、春分点です。春分のタイミングで、そこを太陽が通過します。
つまり春分とは、<地球・大地のライン>と<宇宙・太陽ライン>が交わり、太陽を通じて、宇宙エネルギーを受け取り始めるとき。
そして、その瞬間を境にして地球に対する太陽の力は強まっていきます。春分の日は、おおよそ昼と夜が同じ長さなのですが、春分をすぎると夏至へと向かい、だんだんと昼の時間が長くなります。
宇宙の力は、太陽を通して地球へもたらされます。
ですから春分は、宇宙パワーを太陽を通じて地球へとチャージする日なのです。
春分の日の過ごし方
もともと二十四節気は、古代の中国で季節の変わり目をわかりやすく分けることで、農作業の目安として発明されたとも言われています。
二十四節気における春分は、冬至のような、ゆず湯に入る、かぼちゃを食べるといった行事や行事食は特にありませんが、ウドや蕗などの山菜が旬の季節です。
春の到来を感じられる日なので、お散歩やピクニック、お花見に行くなど、春の陽気を感じてみてはいかがでしょうか。
一方で、西洋占星術から見ると、春分は宇宙パワーをチャージする大事な日。
宇宙パワーをしっかりチャージするために、どんなことをすればいいかを紹介しますね。
春分(宇宙元旦)までに準備しておくといいこと
春分までに、何か特別なことをする必要はりません。
ですが、過去1年のうちに抱えてしまった不要なものは、清算しておくといいでしょう。
片付けをする、ダラダラ続けていたことを辞める、諦める、捨てる・・どんな形でもいいです。不要なものをさっぱりさせておくと、宇宙からの力の入り込む余白ができますよ。
春分(宇宙元旦)当日の過ごし方
心静かに「自分はこの1年何をしたいのか」、胸に手をあてて感じてみることをお勧めします。
なぜなら、宇宙元旦当日は1年の始まりであり、春の季節。
ちょうどこの季節は、無意識のなかにある「これから新しくやってみたいこと」が、ふつふつと少しずつ、心の奥底そこから浮き上がってくるみたいな感覚を得られるはずです。
植物が芽吹く準備、開花する準備を、地底や枝の中でしているのと同じように、人の身体のなかにも、なにか新しい意志が芽吹く準備が進められています。
それらが芽吹くのをせき止めず、優しく見守ってあげるようなイメ―ジで、自分の心も扱ってあげてください。
まだ、それが何かはわからなくても大丈夫です。だんだんと、具体的になっていきますよ。
春分(宇宙元旦)にやるといいこと
春分が宇宙元旦だからと言って、お正月に初詣に行くような特別な行いをする必要はありません。
ですが、宇宙元旦の春分の日は、背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、前を見据えることをお勧めします。
わたしたち人間はと宇宙とのつながりを保つため、かなりの部分を植物が担ってくれています。
植物が地から天に向かって伸びる=地と天をつなぐ存在だからです。
そして人間もまた、まっすぐに立って、直立できます。
足は大地を踏みしめ、頭はまあるく、宇宙そのものです。
もし、最近あなたが塞ぎがちだったとしても、宇宙元旦当日だけでも、下を向いてうつむくのではなく、しっかり身体の上に頭をのっけてみてください。
そして、ひばりなどの野鳥の鳴き声に耳を澄まし、足元に咲くタンポポにも意識を向けてみてください。また、木蓮やコブシの木には花が咲きます。ほんのわずかでいいので植物と触れあってみてください。
宇宙元旦にやることは、それだけで十分です。
その年の春分図からわかること
春分図は、春分から1年間の社会の雰囲気や出来事を表します。とくに春分から夏至までの最初の3か月間については春分図の色が濃く表れます。
例として、2019年~2023年までの春分図と、春分図とリンクした出来事を紹介しますね。
2019年の春分図
2019年の春分図で注目したいのは、冥王星の配置です。権力の象徴である冥王星が、首相、大統領、日本の場合は天皇といった国家リーダーを示す第10ハウスに位置していました。実際、2019年5月1日、天皇陛下が御即位になり「平成」から「令和」へと改元されました。
10ハウスのはじまりは山羊座で、支配星土星もまた10ハウスにありました。10ハウスが強調されています。
2020年、2021年の春分図
2020年、2021年の春分図は第6ハウスに天体や感受点が多く入っていました。
また、両年ともに6ハウスの支配星が6ハウスに位置していることからも、6ハウスが強調されていることがわかります。(2020年は6ハウスカスプ射手座:支配星木星→6ハウス、2021年は6ハウスカスプ魚座:支配星海王星→6ハウス)
第6ハウスはマンデン占星術において、国民の健康や感染症を意味するハウスです。2020年~2021年は新型コロナウイルスが世界的に大流行(パンデミック)した時期でしたので、そのことが表れていたのでしょう。
2022年の春分図
2022年は第3ハウスに多くの天体が位置し、アセンダント射手座の支配星である木星もまた、第3ハウスにありました。
2022年には政府から『With コロナに向けた政策の考え方』という文書が出され、実際に人々の往来が活発になり、コミュニケーションが活発になった年だったように思います。
3ハウス魚座の支配星海王星もまた、3ハウスに位置しています。
このように春分図には、国家規模や世界規模での出来事が象徴的に表されています。
2023年の春分図
2023年は、第12ハウスに太陽と月を含む4天体が位置します。アセンダント牡羊座の支配星である火星が第3ハウスにあり、第12ハウスの天体とはスクエアの関係性であり、穏やかではないかもしれません。