【二十四節気一覧】ホロスコープから知る季節の過ごし方

1年を二十四の季節に分け、季節の変わり目に名前を付けたものが二十四節気です。二十四節気は、太陽の動きで区分されているので、ホロスコープともリンクするところがあるのをご存じですか?

二十四節気を西洋占星術の視点から読み解き、季節ごとの特徴や過ごし方を解説します。

<二十四節気(にじゅうしせっき)とは>

1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、「節(せつ)または節気(せっき)」と「気(中(ちゅう)または中気(ちゅうき)とも呼ばれる)」が交互にあります。太陰太陽暦(旧暦)の閏月を設ける基準となっており、中気のない月を閏月としていました。二十四節気は、その年によって1日程度前後することがあります。

引用元:二十四節気|日本の暦(国立国会図書館)

あわせて、二十四節気と関連が深い土用についても紹介しますね、

<土用とは>

土用は、中国の陰陽五行説で、四季の春を木気、夏を火気、秋を金気、冬を水気にあてはめ、各季節の終わり18日間に土気を当てたことに由来する。
引用元:語源由来辞典

目次

二十四節気とホロスコープの対応表

※時期は、年によって変化します。

二十四節気 時期 太陽のサイン
立春 2月4日〜18日頃 水瓶座15度~30度
雨水 2月19日〜3月4日頃 魚座0度~14度
啓蟄 3月5日〜19日頃 魚座15度~30度
春分 3月20日〜4月3日頃 牡羊座0度~14度
清明 4月4日〜18日頃 牡羊座15度~30度
穀雨 4月19日〜5月4日頃 牡牛座0度~14度
立夏 5月5日〜19日頃 牡牛座15度~30度
小満 5月20日〜6月4日頃 双子座0度~14度
芒種 6月5日〜20日頃 双子座15度~30度
夏至 6月21日〜7月6日頃 蟹座0度~14度
小暑 7月7日〜22日頃 蟹座15度~30度
大暑 7月23日〜8月7日頃 獅子座0度~14度
立秋 8月8日〜22日頃 獅子座15度~30度
処暑 8月23日〜9月7日頃 乙女座0度~14度
白露 9月8日〜22日頃 乙女座15度~30度
秋分 9月23日〜10月7日頃 天秤座0度~14度
寒露 10月8日〜23日頃 天秤座15度~30度
霜降 10月24日〜11月7日頃 蠍座0度~14度
立冬 11月8日〜21日頃 蠍座15度~30度
小雪 11月22日〜12月6日頃 射手座0度~14度
大雪 12月7日〜21日頃 射手座15度~30度
冬至 12月22日〜1月5日頃 山羊座0度~14度
小寒 1月6日〜19日頃 山羊座15度~30度
大寒 1月20日〜2月3日頃 水瓶座0度~14度

※参考:国会図書館|二十四節気 日本の暦

春の二十四節気

冬土用|山羊座27度あたり~水瓶座14度あたり

時期:立春の前の、18日間の期間。1月17日頃~2月3日頃

冬土用の期間に、太陽は山羊座から水瓶座へと移行します。山羊座は、女性宮、活動宮、地のエレメントのサイン。水瓶座は、男性宮、不動宮、風のエレメントのサインです。

受動的な女性宮から積極的な男性宮へ。閉じ込める性質の地のエレメントから、外に向かって流れていく風のエレメントへ。そして、スタートさせる活動宮から、腰を落ち着けて決めていく不動宮への移行期間です。

冬土用の過ごし方

冬土用の期間は、冬の間に頑張りすぎた身体を休めながらも、春に向かう準備期間であると言えます。たとえば不要なものを整理したり、身の回りや精神をスッキリとさせていくといいでしょう。

立春(りっしゅん)|水瓶座15度~30度

時期 2月4日頃~2月18日頃

<季節の特徴>
暦の上では、春の始まりの日である立春。天候や地域によっては、まだ冬の雰囲気が残っていますが、立春は冬の寒さのピークを越え、春の暖かさに転じていく転換期であると考えられています。太陽の光が少しずつ強くなり、樹木は芽吹く準備を始め、梅の花が開花します。暖かい春の風が冬の張りつめた空気と氷を解かし始め、春の足音が聞こえてくる季節です。

水瓶座15度は、水瓶座の力が満ちた度数です。つまり、立春の初日を境に、次の魚座に移行する準備が始まります。

冬の季節は植物が少なく、自己に対して精神的に向き合うような季節ですが、水瓶座もまた「人としての進化」といった人間の精神にフォーカスしたサイン。立春は、水瓶座が満ちて人と神や自然が一体になるようなホリスティックな性質がある魚座に向かって行く時期です。

立春のころは、キリスト教文化では聖燭祭を終えたころ。聖燭祭とは、クリスマスから数えて40日目の2月2日に行われ、イエスが産後の汚れの潔めの式を受けるとともに、イエスを神に捧げた日とされています。

クリスマスの山羊座の季節は、宇宙からのエネルギーが結晶化し、人のなかに降りてくることができる唯一の季節です。そのあとの水瓶座シーズンは、宇宙から降りてきた自分のなかに灯った新たな魂の息吹を受け止め、もう一度天に捧げます。宇宙との繋がりを受けとめて祝福し、ささやかな一瞬に喜びを見い出せる時期です。

立春の過ごし方

冬は死であり、春は死からの復活、つまり生を表します。冬に凝固したエネルギーの気配が感じられた水瓶座の後半に入り、少しずつ流動性のある魚座の雰囲気を感じられるようになります。また、自然も春の変化の季節へと誘われていきます。

自然が運んでくる春の足音は、死からの復活、命の誕生です。長く厳しい冬を越えてきた人間に対する癒しでもあり祝福です。

立春のころは、自然のなかにある小さな春の気配に気がつき、喜びとともに迎えましょう。

雨水(うすい)|魚座0度~14度

時期 2月19日頃〜3月4日頃

<季節の特徴>
寒さが和らぎ、氷や霜が解け始まる季節です。この時期は、雨水の名前の通り降雨量が増える傾向にありますが、雨水により土地は潤い、植物の成長がうながされます。

雨水の季節は、太陽が魚座0度から始まりますが、魚座の初期の度数は、世界があちこちでうごめくような世界観があります。

雨水の季節に振る雨は、木の芽起こしといい、木の芽が膨らみ花が咲くのを助けます。名もない草花が動き出すように、わたしたちの気持ちもエネルギーがギュッと固まった冬の状態から、春に向けて魂の新たな息吹を感じて変化していきます。それは、「新たな1年を始めていこう」といった気持ちの変化として現れるでしょう。。

雨水の過ごし方

太陽は固定宮の水瓶座から柔軟宮の魚座へと移行します。冬の間にこわばってしまった身体を少しずつ動かし始めましょう。

魚座は脚にも関わる星座。歩いて外を散歩するなど自分の身体も動かすと、気持ちもポジティブに動き始めます。季節の変化にも気が付くことができるのでオススメです。

啓蟄(けいちつ)|魚座15度~30度

時期:3月5日頃〜19日頃

<季節の特徴>
啓蟄の蟄は、地中の虫(蟄)を意味し、啓は閉じたものを開けるという意味があります。つまり啓蟄とは、冬眠していた生き物たちが土の中から出てくる季節。また植物の芽も地上に顔を出し始めます。冬の寒さから抜け出し、春の暖かさを感じられます。

太陽のサインは魚座15度で、魚座のピークから牡羊座の春分に向かっていきます。魚座は境界線があいまいですべてが繋がっている、そんなホリスティックな世界観を持っています。啓蟄のころは、自然回帰や人と自然の関係が重なり合い、溶け合うような季節です。

その後、牡羊座の春分に向かうので、個の魂の輪郭がだんだん浮かび上がってきます。

啓蟄の過ごし方

自然界では、冬を過ごしたさなぎが羽化し、蝶に生まれ変わる頃です。植物のつぼみがほころび花開き、冬ごもりしていた虫も姿を表します。

私たち人間の意識も、春分という新たな1年の始まりに向かっていきます。外の世界に対して意識がほころび始め、人と自然の目に見えないつながりが復活に向かいます。

意識が自然を含めた外の世界に開かれると、死〜生への循環のサイクルに組み込まれるので、牡羊座を迎えた時に再び生まれる準備が始まります。

「人間だけ」という、ちょっと灰色の世界から、自然を含めたカラフルな世界へと意識が広がるイメージです。この時期に「花が咲いて、きれいだな」「春の風が気持ちがよいな」と感性が拡がると、感性を通して次の牡羊座の季節に「自分らしさ」を再び感じられるようになっていきます。

柔軟でいられるよう身体と心を緩ませましょう。散歩やウォーキングなどもおすすめです。

春分(しゅんぶん)|牡羊座0度~牡羊座14度

時期:3月20日頃〜4月3日頃

<季節の特徴>
春分の日は、昼と夜がほぼ同じ長さになる日。春分を境に夜の長さと昼の長さが逆転することから、春の季節の到来を象徴する日であるとも言えます。春分の期間は、気温が少しずつ上昇し、本格的な春の暖かさを感じられるようになります。春の風が心地よくなる季節です。

西洋占星術においては、春分の日はホロスコープのスタート地点。宇宙的な新しい年の始まりを示しています。

牡羊座は「ものごとを始める」星座で、「生まれる」ということを意味しています。「生まれること」と切っても切り離せないのが「死」です。

二十四節気の春分の期間に行われるキリスト教文化のお祭りにイースター(復活祭)があります。イースターの本来のテーマは「死と復活」です。

イースターエッグやイースターウサギは生命や多産のシンボル。この時期は、生命の始まりを感じて「生きる」ことに対して前向きになれるときだと言えるでしょう。

春分の過ごし方

春分当日は、西洋占星術から見ると宇宙パワーをチャージする大事な日です。宇宙パワーをしっかりチャージするために、過去1年のうちに抱えてしまった不要なものは、清算しておくといいでしょう。

たとえば、片付けをする、ダラダラ続けていたことを辞める、諦める、捨てる・・・など、不要なものをさっぱりさせておくと、宇宙からの力の入り込む余白ができます。

また、春分のころは生きることに前向きになれるとき。植物の種を蒔くなどして、生命のはじまりの瞬間を意識する時間をつくるといいでしょう。

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 清明(せいめい)|牡羊座15度~牡羊座30度

時期:4月4日頃〜18日頃

<季節の特徴>
清明は、清らかで生き生きとしていることを意味する「清浄明潔」の略語であるとされています。清明の時期は、言葉通り草木や花が生き生きと芽吹き、ツバメが訪れ、たくさんの種類の鳥が歌い舞い、生命が輝く季節です。中国では伝統的なお祭りである清明節が行われます。清明節は、先祖の尊重と敬意を表し、彼らをしのぶために行われる重要な節日。一般的には先祖のお墓を掃除し供養を行います。

清明の季節は、太陽が牡羊座15度に入ります。牡羊座のピークを迎え、少しずつ春の季節に慣れて新しい年の気配をキャッチし始める時期です。

この季節に活動が活発になる「鳥」は、占星術において霊的な力を象徴しますが、この季節は霊的な力が、私たち人間の頭上で歌い舞っていると言えます。

清明の時期は、生まれた命を祝福し、すべての命が存在することの喜びを分かち合う、そんな「愛」の雰囲気がそこはかとなく漂う季節です。

清明の過ごし方

人に優しく、自分に優しく。穏やかな気持ちで自然を愛でると良いでしょう。人に手を振りあいさつし、困っている人がいたら、優しく接しましょう。自然が伝えてくれているように、「世界が善いものである」ということを、あなた自身の振る舞いで表現していきましょう。

穀雨(こくう)|牡牛座0度~牡牛座14度

時期:4月19日頃〜5月4日頃

<季節の特徴>
穀雨は、百種類の穀物の目を出させる雨という意味の雨生百穀(うりゅうひゃっこく)に由来するとされています。穀雨の時期には、雨が多い傾向にあり、種まきや田植えを始める目安の時期です。

太陽は牡牛座0度に入ります。牡牛座は、世界の美しさや豊かさ、資源といった地球の恵みを表します。自然界でも、草木を潤わす恵みの雨が降る季節ですが、西洋占星術から見ても、この世界の恵みが感じられる時期です。

穀雨は、太陽が牡羊座(活動宮・火のエレメント)から牡牛座(不動宮・地のエレメント)へ切り替わります。軽さのある火から重い地へ落下する雰囲気や、活動宮から不動宮に移行し落ち着きを感じられる季節です。

穀雨の過ごし方

牡羊座から牡牛座への変化によって生じる落差は、時に気持ちを沈ませることがあるかもしれません。

そこで、穀雨の時期は、自分の足元を見て、気持ちや意識を落ち着かせると良いでしょう。

自分らしさを認識して、自分が自分であることに感謝の気持ちが持てるよう、足るを知る心で落ち着いた丁寧な暮らしを意識してみましょう。

夏の二十四節気

春土用|牡羊座27度あたり~牡牛座14度あたり

時期:立夏の前の18日間の期間。4月17日頃~5月4日頃

春土用の期間に、太陽は牡羊座から牡牛座へと移行します。

男性宮・活動宮・火のエレメントの性質を持つ牡羊座から、女性宮・固定宮・地のエレメントの性質を持つ牡牛座へと移行することから、春土用の期間は春の陽気や新しい環境に沸き立った気持ちが落ち着きやすいと言えます。

一方で、現実に直面したり環境に慣れてくることで、気持ちが沈みやすい、落ち込みやすい時期とも言えるでしょう。

春土用の過ごし方

牡羊座(活動宮・火のエレメント)から牡牛座(不動宮・地のエレメント)へ切り替わる時期は、気持ちの落差を感じやすい時期。意識を自分に向けて「今の自分」を認めることが大切です。

立夏(りっか)|牡牛座15度~牡牛座30度

時期:5月5日〜19日頃

<季節の特徴>
暦の上では、夏の始まりの時期。夏に向けて気温が上がり、日中は暑さを感じる日も多くなってきます。さわやかな緑と気持ちよく吹く風が心地よい、五月晴れの季節です。

太陽が牡牛座のピークを迎えます。立夏までは草花の芽吹きや開花など、牡牛座的な地球や自然の恵みを存分に感じ取ってきました。

立夏以前は、山菜など自然の恵みが多いですが、立夏を迎えるころには、イチゴやニンジンなど人が育てた恵みも味わうことができる季節になります。

牡牛座のもつ重厚感が軽減されて、双子座の風エレメントの軽やかさが入ってくるので、春をより「こなれた感じで」楽しむことができるでしょう。

立夏の過ごし方

個人主義的な双子座へ向かっていくということは、牡牛座的な地球や大地、自然の恵みに対して人の手を加えて、人間主体で楽しむ雰囲気に進んでいくことです。

季節や暮らしを自分なりに楽しむ工夫や、ひと手間をかけることを大事にすると良い季節です。自然から与えられた豊かさに人の知恵を加えることで、さらに楽しむことができます。

小満(しょうまん)|双子座0度~双子座14度

時期:5月20日頃〜6月4日頃

<季節の特徴>
小満の意味は、「草木が繁って天地に満ち始める」(日本国語大辞典より)という意味や、穀物が成長しているけれど、完全に熟す(満ちる)前を意味するなど諸説あります。いずれにせよ、小満は穀物が満ちてくることから、農業において大事な節目となる時期。中国や日本の一部地域では、五穀豊穣を祈る行事が行われるところもあります。新緑が濃くなり初夏が感じられる一方で、梅雨入り前の雨季の到来を感じる季節でもあります。

太陽が双子座に入ります。双子座は、個人の可能性を拡げチャレンジしていく事がテーマ。自然界において、命がますます満ちていく小満の季節は、人もまた、その命が日を浴びて輝く季節です。個人の冒険にスポットライトがあたる時期だと言えるでしょう。

小満の過ごし方

個人の能力を磨くのに最適な時期。さまざまな体験を通して、自分の人生を豊かにするために実際に動き出すのに適しています。

少しずつアクティブに、新しいことを始めたり、新しい場所に出かけたり、新しい学びを始めたり、これまでと違う人に出会ったりするといいでしょう。

芒種(ぼうしゅ)|双子座15度~30度

時期:6月5日頃〜20日頃

<季節の特徴>
芒は、稲や麦の穂先の毛を意味し、穀物が熟したことを象徴しています。芒種は、穀物が熟し、農作物の収穫の準備が始まる季節。日本では梅雨入りで雨の日が多くなる季節でもあります。

太陽が双子座のピークを迎えます。自分の可能性を拡げるために、小満でチャレンジした様々な体験の中から、これからの自分にどんな体験や稽古を積む事が必要か、自分の「学びのテーマ」を決めていくのに適した時期です。

芒種の過ごし方

ひとつまえの小満の季節で好奇心を広げ、さまざまな選択肢を考えたら、芒種からはいくつか決めたテーマを継続していくといいでしょうちょうど雨が多くなり、室内で過ごす時間が多くなる季節。自分の好きなこと、自分のテーマにとことん向き合う時間をとってみてください。習い事を始めるのにも良いタイミングです。

夏至(げし)|蟹座0度~蟹座14度

時期:6月21日頃~7月6日頃

<季節の特徴>
夏至当日は、日照時間が一年で一番長く、また太陽の高さと角度が最も高くなります。つまり、昼が最も長く、夜が最も短い日で、季節が切り替わる節目です。植物がどんどん成長し、農作物の収穫が本格的に始まります。

太陽が蟹座0度に入り、西洋占星術においても夏至は節目の時期です。地球上の生き物がエネルギーを吐き出し、吐き出したエネルギーが太陽の熱に変わるため、夏至は太陽の力が強くなります。

人もまた、息を吐ききってエネルギーを放出すると、自分自身という「個」の存在に捉われず、大いなるものと一体になった気分を感じられます。

また昔から、夏至には妖精の力が強くなるという言い伝えがありますが、夏至は目に見えないエネルギー的なものの動きが活発になる季節だと言えるでしょう。

なお太陽が蟹座0度に重なる瞬間のホロスコープを夏至図といい、夏至から秋分までの3か月間の動向を占うときに用いられます。

夏至の過ごし方

夏至は魂が最も解放される季節。外側へとエネルギーが発散しやすいときです。この季節に開放的になるのは悪いことではありません。自分の内面に向き合うよりは、外へ出かけるなど、気持ちを大きくひろげてみてください。

また蟹座の季節は、目に見えない精神的な世界との接点を探すのに適しています。お祭りやフェスなど、音楽や踊りに没頭できる場でリズムを感じることもオススメです。

小暑(しょうしょ)|蟹座15度~蟹座30度

時期:7月7日頃〜22日頃

<季節の特徴>
小暑は、その言葉のイメージ通り、本格的な暑さを迎える前の初夏の暑さを意味し、夏の到来を告げる節気です。農作業においては、本格的な暑さに備える準備が行われる時期。梅雨明けが近づき、熱を帯びた風が夏の暑さを運んでくる季節です。小暑〜立秋の前日までに送る季節のお便りを「暑中見舞い」と言います。

太陽は蟹座の後半の度数に入り、獅子座の太陽が輝く季節に向かいます。人間の個としての輪郭よりも、自然や地球の一部として生きる「生命としての自己」を感じやすい時期です。

また夏は水害も多いシーズンです。天災といった大きな渦の流れの前では、人間はとても小さな存在に思えるかもしれません。だからこそ、私たちの祖先は自然とともに生きるための知恵を身につけてきました。自然とのつながり、祖先とのつながり、共同体の一員として生きること。そんな蟹座の雰囲気が感じられる季節です。

小暑の過ごし方

この季節は、体温調節のために汗をたくさんかきますが、体液は蟹座の領域です。汗をかくと血液も体の外側に集まりやすくなり、身体の内側が冷えやすい季節。冷たいものを取りすぎないようにして、自然の熱エネルギーの力を借りて体を温めることを意識して過ごすといいでしょう。

大暑(たいしょ)|獅子座0度~獅子座14度

時期:7月23日頃〜8月7日頃

<季節の特徴>
大暑は言葉のイメージ通り、夏の暑さがピークを迎えることを指しています。大暑の時期には、暑さが最も厳しくなり、気温が高い日が続く季節です。大暑には、地域によってさまざまな伝統的な風習や祭りがあり、夏の暑さを乗り切るための祈りや儀式が行われるところもあります。

太陽が獅子座に入ります。獅子座は「今を生きる」感覚を磨いていく星座です。今この瞬間に留まり、濃い感情や感覚体験を経験するのにおすすめの季節。

この時期ならではのイベントや伝統的な風習、お祭りなどで、”今この瞬間”に没頭する高揚感を体験していきましょう。

大暑の過ごし方

お祭りなど、日常のなかの特別な非日常体験を楽しみましょう。将来への不安や過去への後悔などは置いておき、今この瞬間に集中して楽しむことが重要です。夏の涼などを取り入れて、夏を楽しく過ごすのも大暑らしい過ごし方でしょう。

秋の二十四節気

夏土用|蟹座27度あたり~獅子座14度

時期:立秋の前の18日間の期間。7月21日頃〜8月7日頃。

夏土用の期間に、太陽は女性宮・活動宮・水エレメントの蟹座から、男性宮・固定宮・火エレメントの獅子座へと移行します。

夏土用の期間は、蟹座的な人間を包括する自然界から、獅子座的なまぶしく熱い太陽へとシフトする季節です。獅子座の季節に太陽が熱く燃えるほど、その熱は冬になると人間の魂のエネルギーとして還ってきます。

エネルギーは秋分の時期のミカエル祭で、大天使ミカエルの黄金の衣に象徴される秋の黄金色のエネルギーとして受け渡されます。

この季節は、太陽の力を強めようと人々は各地で火を焚きます。とくに太陽の力の弱まる夜に、祭りで火を焚き、あかりを灯し、花火を打ち上げるのです。これらは太陽の力を強める儀式なのです。

夏土用の過ごし方

夏土用の期間は、ちょうど梅雨明けの季節と重なります。虫の働きや湿気、カビなどは、湿度の高い蟹座的な要素で、自然の怖さという蟹座のニュアンスも感じられます。

湿度の高い蟹座的な要素に、獅子座の季節の太陽の光を浴びせるのは、物理的にも有効です。蟹座から獅子座への移行期となる夏土用では「土用の虫干し」をして、晴れた日に本や衣服に日を当てるといいでしょう。

また、細菌やウィルスなどの自然と人間を分離して保ってくれるのは、免疫の働きですが、免疫力を高めるためには、栄養と熱が必要です。獅子座には、人が自然の脅威に対して、対抗できるだけの抵抗力を得ていこうとする性質があり、「免疫」も意味するととらえられます。

そう考えると、夏土用にウナギなど栄養のあるものを食べる習慣があるのは理にかなっているのでしょう。

立秋(りっしゅう)|獅子座15度~獅子座30度

時期:8月8日頃〜22日頃

<季節の特徴>
暑さ真っ盛りの時期ですが、二十四節気では秋の最初の節気にあたり、暦の上では夏の終わりと秋の始まりを意味します。立秋の頃に吹く涼しい風のことを「秋の初風」と言います。立秋を過ぎると「暑中見舞い」は「残暑見舞い」に切り替わります。

太陽の配置は、獅子座のピークを迎えます。獅子座の季節に受け取った太陽の力や、自分自身を保つ免疫力などの熱エネルギーを、浪費せずにうまく制御していく季節だんだん次の乙女座へ向かいクールダウンしていきます。

獅子座の季節に受け取った太陽のエネルギーは、秋分の季節に渡していかなければなりません。エネルギーは、秋分のころにミカエルの黄金の衣となり、私たちが秋、そして長い冬を乗り越えるために必要な力となるからです。

立秋の過ごし方

乙女座に向かってクールダウンするには、健康管理や良い生活習慣のために、落ち着いて自分を律するような暮らしを意識することです。

いつまでも、夏を引きずって意識が外に向かって開放的でいると、宇宙のエネルギーである太陽の熱を、地上や自分自身の内部に定着させることができません。だんだんと意識を内側へと向けていくといいでしょう。

夏の季節を十分に楽しんだら、今度はその余韻を普段の暮らしのなかに浸透させていきましょう。日々の暮らしの中で、「何の変哲もない日常の一瞬一瞬が特別なんだ」という意識がもてるといいでしょう。

処暑(しょしょ)|乙女座0度~乙女座14度

時期:8月23日頃〜9月7日頃

<季節の特徴>
「処」(しょ)は、「通り過ぎる」という意味を持ちます。処暑は文字通り「暑さが通り過ぎる」という意味で、処暑は、朝夕には涼風が吹き始め、夏の暑さが徐々にやわらぎ、秋の気配が漂い始める季節です。また処暑のころに吹く強い風を「初嵐」と言います。

処暑の季節は、太陽が乙女座に入ります。乙女座は、エゴや執着を捨てて真っ白になっていくことに関連する星座。夏の楽しい時間への執着を捨てて、心を落ち着けて日常に戻っていくときです。

処暑は、「万物が改まる時期」だと言われていますが、乙女座が象徴する、まっ白になっていくこともまた、「改まる次期」だと言えるでしょう。

処暑の過ごし方

獅子座が象徴する夏の開放的な気持ちや高揚感を落ち着けて、日々の自分の仕事や役割に戻っていきましょう。夏休みに生活習慣が乱れた人は、この季節に、あらためて健康的な生活習慣を取り戻していくといいでしょう。

乙女座の前半の度数には、静けさと沈黙の雰囲気が感じられます。静けさと沈黙に身を浸すことによって、私たちの主観的な気持ちの盛り上がりは静まります。気持ちが静まると、読書の秋にふさわしく知的な態度が取れるようになっていくでしょう。

白露(はくろ)|乙女座15度~乙女座30度

時期:9月8日頃〜22日頃

<季節の特徴>
白露は、秋の訪れを感じさせる季節。白露の「露」は、「朝露」という意味です。白露の時期は大気が冷えて露を結ぶ時期ですが、白露とは、秋の到来により夜に気温が下がるようになるため、朝露が白くなることを示しています。

太陽は乙女座のピークを迎え、ここから次の天秤座に向かっていきます。乙女座の前の獅子座の季節は、太陽と自分を重ね合わせた万能感や高揚感を主観的に感じる季節でした。一方で、次の天秤座の季節には、バランスと客観性がもたらされます。

乙女座15度〜30度の白露の季節は、主観から客観への橋渡しの季節夏の熱を冷まし、知的な態度をとっていくのに適しています。

白露の過ごし方

朝夕の涼しさがはっきりと際立ってくるころで、頭も心もクールダウンし、知的に物事を考えるのに良い時期なので、読書をするのに適しています。

また、自分たちにとって必要なものと不必要なものを冷静に見極め、今後の生活や物事の基本方針を定めていくと良いときです。

秋分を迎えると、夜がだんだんと長くなっていきますが、夜が長くなると、私たちの心にも闇が広がりやすくなります。秋分の前の白露の季節で、しっかりと自分の方針を見つけておくと、夜が長い季節も心がブレずに、健全さを保ちやすいでしょう。

秋分(しゅうぶん)|天秤座0度~天秤座14度

時期:9月23日頃〜10月7日頃

<季節の特徴>
秋分の日は昼と夜の長さがほぼ等しくなります。秋分を境に日に日に夜が長くなっていきます。農業においては、収穫の季節。地域によっては収穫や豊作を感謝する行事やお祭りが行われるところもあります。
また、秋分の前後3日間をはさんだ7日間は「秋のお彼岸」とされています。

太陽が天秤座0度に入るタイミングが秋分です。秋分の日から夜がどんどん長くなり、心の闇が拡がりやすい季節に入ります。

人はこの季節に、心の闇に打ち勝つために戦う必要があります。そのために、精神的に自分の内にある悪と戦い、乗り越えていこうとします。

またキリスト教では、秋の収穫に感謝するミカエル祭が行われる季節です。聖ミカエルもまた、秋分がどんなタイミングであるかを示しています。

天秤座は、正義とバランスを大切にする活動宮で、激しい戦いのサインです。聖ミカエルは、聖画では剣を持ち龍と戦う姿や、片手に地球や天秤をもつ姿が描かれ、「天秤座」を連想させます。

聖ミカエルも、私たち人間が精神のバランスを保ち、余計なものに振り回されず、人間にとっての正義やしい道しるべを見つけられるように働きかけてくれる存在です。自分と他者のバランスや自分の内面のバランスが取れるように力を与えてくれます。

秋分はとくに、あふれる情報に振り回されがちな現代の私たちにとって、「自分の意志で決める」というとても大切なことに気づかせてくれる重要なタイミングです。

また秋は農業においても収穫シーズンですが、人間もまた同様に春分から始まった成長の成果が実る時期であるとも言えます。

なお太陽が天秤座0度に重なる瞬間のホロスコープを秋分図といい、秋分から冬至までの3か月間の動向を占うときに用いられます。

秋分の過ごし方

秋分の期間は、自分の内側のバランスが崩れやすい時期です。周囲の情報にまどわされたり、流されたりせずに自分の意志で決めることが重要です。

「周囲の情報に振り回されて、自分で判断しない」「思考停止状態」は、あまり良くない状態です。何が善であるり悪であるかを、冷静に見極めてください。良くない状態が大きくなりそうなときには、落ち着いて自分のなかにある善きものを見つめるようにしましょう。

さまざまなことを比較したり複数人から意見を聞きながらも、自分で思考することをやめないでください。

寒露(かんろ)|天秤座15度~天秤座30度

時期:10月8日頃〜23日頃

<季節の特徴>
寒露は、寒さが厳しくなり、露が凍りそうになることを意味しています。
寒露の季節は、言葉の意味通り、夜間の気温が冷え込み、夜明け前や夜間に地面や植物についた露が冷たくなり、凍ることもある季節と言われています。空気が澄んでくるため、夜空の月が明るく輝く季節です。

太陽が天秤座から蠍座へと向かう季節。天秤座を通して自己の正義やバランスの取れた信念、そして対人関係において「いかに信念を失わずに貫くことができるか」を学ぶとき。

寒露からさらに夜が長くなり、闇が深くなっていきます。季節にともない、人の心の闇も深くなりがちです。困難な状況においても、自分の信念を失わないでいられるように準備が必要な時期です。

寒露の過ごし方

寒露の次の霜降は、蠍座の季節。天秤座が知恵だとすると、蠍座は力です。力は、扱う人によっては、良いことにも悪いことにも使えてしまいます。

ですから、蠍座の前の寒露の季節には、もう一度、自分のなかの善悪の判断を明確にし、揺るぎない信念として確立していけると良いでしょう。そのためには、自分を強く保つこと、周囲の人たちとルールや方針を共有しておくことです。

それができれば、今後訪れるかもしれない困難な状況においても、自分の信念を失わないでいられるようになるでしょう。

霜降(そうこう)|蠍座0度~蠍座14度

時期:10月24日頃〜11月7日頃

<季節の特徴>
霜降は、言葉の通り霜が降りることを意味します。この時期は秋から冬への移り変わりの季節で、気温が急激に下がり、地面や植物に霜が降りることから名づけられたと言われています。
寒露に入ると、地域によっては初霜が観測されるところもあります。

太陽が特定の人との深い関わりを示す蠍座に入り、人と人との距離が近づきやすくなります。同時に、人や物事の闇にも気がつきやすいときです。季節的にも、昼が短くなり暗闇が迫ってくるのを感じやすいころです。

霜降の過ごし方

創意工夫によって農作物を寒さから守るように、心身を温めるようにしましょう。心を温めるには、親しい人との繋がりを大事にして、ほっとする時間をつくることがおすすめです。

人や物事の闇に気がついたときには、互いの関係の良いところを照らせるように意識しましょう。もし人間関係にダメージがあれば、修復できるような工夫をしていきましょう。

冬の二十四節気

秋土用|天秤座27度あたり~蠍座14度あたり

時期:立冬の前の18日の期間。10月21日頃〜11月7日頃。

秋土用の期間に、太陽は男性宮・活動宮・風エレメントの天秤座から女性宮・不動宮・水エレメントの蠍座へ移行します。天秤座から蠍座への移行は、大きな変化が伴います。

冷静な比較や客観視の視点を持ちやすい天秤座シーズンは、人間関係など活発に交流が行われやすく、さまざまな知見や洞察を得ることができます。一方で、蠍座は感情体験の領域。他者と共同し一致団結して動くことで、その絆の実感を必要とします。

秋土用の過ごし方

蠍座の季節の感情体験は、振れ幅が大きいものです。明るいポジティブな気持ちだけではなく、苦労や覚悟といった苦しい感情体験の共有も必要とします。

夜の闇が深まっていく気配がある季節ですが、夜の闇の深まりとともに、人の「暗さ」の側面を感じ切っていくことも必要です。

立冬(りっとう)|蠍座15度~蠍座30度

時期:11月8日頃~21日頃

<季節の特徴>
暦の上では、冬の始まりを告げる節気。気温も下がり、冬の到来を感じられる季節です。紅葉が始まり、次第に樹木は落葉します。地域によっては初雪が観測されるところもあります。

太陽のサインが蠍座15度〜蠍座30度に位置します。蠍座が深まっていくと同時に、自分の中にある闇にも向き合っていけるとき。だんだん物事を決断する覚悟や落ち着きがもたらされる時期です

立冬の過ごし方

立冬の期間は、覚悟を決めたり、自分をコントロールしたりできる強さや大胆不敵さが発揮できるとき。決めなければいけないことを中途半端にせずに、決断すると良いでしょう。

小雪(しょうせつ)|射手座0度~射手座15度

時期:11月22日頃〜12月6日頃

<季節の特徴>
小雪の由来は諸説ありますが、雪の量が次の節気である「大雪」よりも少ないことを示していると言われています。小雪は、まだ暖かさも残っていて、大雪にくらべると寒さが穏やかな時期です。小雪の時期の春のような穏やかで暖かい日のことを小春日和と言います。

小雪は、太陽が射手座に入ります。射手座の季節はキリスト教の文化ではアドベント (Advent)の季節。アドヴェントとは、イエス・キリストの降誕(こうたん)を待ち望む期間です。宇宙から地球や人間へと降りてくる力を感じ、あらたな誕生を待ち望む神聖な期間でもあります。

小雪の過ごし方

クリスマスを待ち望む準備を時間をかけて少しずつしていくといいでしょう。宇宙から降りてくる力を感じられるように、神聖な気持ちを醸成していくことが大切です。家の中に神聖な雰囲気づくりをするのも良いでしょう。

大雪(たいせつ)|射手座15度~射手座30度

時期:12月7日頃〜21日頃

<季節の特徴>
大雪は冬の中ごろで、寒さが一層厳しくなり、山に雪が積もるなど降雪が多くなる季節です。大雪の由来については諸説ありますが、「大量の雪が降る」「最も降雪が多くなる時期」であることから「大」の字が使われたとも言われています。

太陽は射手座のピークを迎え、次の山羊座へ向けての準備を進めていきます。山羊座の季節は、さまざまなものが凝固、結晶化していきます。これまでの行いの成果を現実的に受け取り、未来の種を天から受け取るときであると言えます。

また、射手座の季節はキリスト教文化ではアドヴェントが行われますが、アドヴェントの語源は「到来」です。わたしたちが、「到来する存在と再び結びつく」ための試みを行う。それがアドヴェントの季節の意味です。

大雪の過ごし方

この先の山羊座シーズン、そしてクリスマスに向けて、自分の中に聖なる気持ちや信念、哲学といったものを小さく灯し続けて、あたためていくときです。暖かい部屋のなかで、自分の内側を見つめると良いでしょう。

冬至(とうじ)|山羊座0度~山羊座15度

時期:12月22日頃〜1月5日頃

<季節の特徴>
冬至当日は、一年の中で最も昼が短く、夜が長い日。この日を境に、また夏至に向けて日に日に昼の長さが長くなっていきます。陰陽五行思想では、冬至は、陰が極まり(陰のエネルギーが最も高まる)、陽に転じていく日で、冬至を境に運が向いてくる「一陽来復(いちようらいふく)」と考えられています。

太陽がやぎ座0度に入るタイミングが冬至です。射手座から山羊座になったタイミングで射手座の理想が壊れ、山羊座の地のエレメントの現実感の強い世界が到来していく衝撃があります。このことは「陰が極まる」様子と通じるものがあります。

冬至はキリスト教文化においては、アドヴェントシーズンを経て、クリスマスに神の子が降りてきて生まれる大事な季節。神の子が誕生したのち、人は巡礼の旅に出ます。

太陽が隠されると、人は「自分の内側に太陽の光を求めよう」と神聖なものを求め、歩き始めるからです。そのプロセスは宇宙的エネルギーの循環と関係しています。

夏の太陽の力が秋にミカエルの衣になり、クリスマスに人の内にもたらされ、ろうそくの火のような小さな灯が灯されると言われています。宇宙的エネルギーの循環プロセスとしては、クリスマスからが1年のスタートとも言えるのです。

宇宙のエネルギーが見えないから見ようとする。消えそうなほどささやかだから、繊細に感じられるように静けさを大事にする。冬至以降は、そうした雰囲気を含めて神聖さを必要とするときでしょう。

冬の季節は自然界においても、結晶のようにエネルギーが固定化されます。春に蒔いた種が夏に開花し、秋に収穫され、冬には新たな種の中にエネルギーが戻ってきます。夏に自然のなかに広く織り込まれていたエネルギーが、冬にはそれぞれの核のなかに結晶として固定化されるのです。

なお太陽が山羊座0度に重なる瞬間のホロスコープを冬至図といい、冬至から春分までの3か月間の動向を占うときに用いられます。

冬至の過ごし方

日本の風習としては、冬至の当日はゆず湯に入りカボチャを食べると良いとされています。陽の気を取り入れるためや心身の健康のためなど、その由来は諸説あります。

西洋占星術では、古代において冬至は1年の始まりとされてきました。天から宇宙エネルギーを受け取ることができるのは、この山羊座のシーズンだけと考えられています。

冬至から次の節気の小寒にかけて、宇宙から受け取ったエネルギーを展開していくと良いでしょう。

エネルギーを展開するには、おおらかで素直な感性を大切に、宇宙のリズムに同調していく姿勢を持つといいでしょう。宇宙のリズムに同調するというのは、理にかなった物事を行うということです。理にかなわないもの、間違ったものは正していくということも必要です。たとえば、余計で必要ないことは、やらないなど。

同時に、宇宙のリズムは多重的。自分と違う価値観を持つ存在とも「最終的にハーモニーが作れたらいい」と受け容れる姿勢も必要。そのため、年末年始の挨拶や親戚付き合いなどはとても大事です。

小寒(しょうかん)|山羊座15度~山羊座30度

時期:1月6日〜19日頃

<季節の特徴>
小寒は寒さが極まる、やや手前のところという意味です。小寒から立春までの期間は一年で最も寒くなる寒の季節とされ、小寒の初日は「寒の入り」といい、寒さが厳しくなっていく季節です。

太陽は山羊座のピークを迎え、水瓶座への移行の準備をしていく季節です。山羊座の理想の社会は「共同体に参加する全員での調和」がある社会です。冬の寒さが極まる季節に、支え合う共同体として「家族と」「地域のみんなと」といった意識は大切です。人々はみんなで厳しい冬を一緒に、乗り越えていこうとするからです。余裕のある人は弱い人を守り、みんなで支え合っていくことが必要な季節です。

小寒の過ごし方

新暦の新年明け、気持ち新たになっているときでしょう。小寒の期間は、山羊座的な「家族みんなで」「自分たちが所属する共同体や地域みんなで」という繋がりを感じられるような季節行事や新年の挨拶を大切にしてください。

大寒(だいかん)|水瓶座0度~水瓶座15度

時期:1月20日頃~2月3日頃

<季節の特徴>
大寒は文字通り、寒さが最も厳しい季節です。冷たい風や寒波が吹き、身が凍るような寒さを感じる時期。動物も植物も休眠して春に備えるので、自然界が静寂に包まれる季節とも言えます。寒さが一段と厳しくなりますが、大寒を超えると春の始まりを告げる節気、立春を迎えます。

太陽は、新天地のような新たな気分をもたらす水瓶座に入ります。水瓶座の季節の行事には、聖母マリアのお清めの祝日(2月2日)があります。キリストが神の子として初めて教会に現れ、祝福を受けたことにちなんだお祝いの日。キリストを神に捧げた日でもあります。

射手座の季節に神の子が降りてくるのを人々は待ち望み、山羊座の季節に降誕した神の子を人が求め歩き、水瓶座の季節に神の子を神に捧げるのです。

冬は宇宙のエネルギーが凝結して、どこかにそっと息をひそめるようにして存在している季節。太陽や自然の力が弱くエネルギーを感じにくいため、キリスト教の文化圏では、神聖な物事が神と人とでなされる季節でした。そして、このプロセスの最終段階が大寒の季節です。

大寒の過ごし方

光のエネルギーは、冬至のころに最も凝固し、小寒の季節までは人間の中心や凍てついた大地のなかに息をひそめて存在していました。ですが、意識がだんだんと中心から外側へと広がっていく雰囲気がある水瓶座に入ったことで、エネルギーの「気配」のようなものが、大寒の季節から広がり始めます。

自然界においては、三寒四温と言われるように、寒暖を繰り返しながら、だんだんと春にむかっていきます。大地の下はまだ凍てついていますが、少しずつ春への準備は始まっています。蕗の花が咲き始め、南天は赤い実をつけます。

大寒の時期は、そうした春の気配を見つけていきましょう。大きな世界の循環を意識し始めることで、人のエネルギーも循環するからです。春の気配に気づくためには、繊細な感性が必要となる季節でもあります。

二十四節気と西洋占星術

二十四節気は、もともとは古代中国の農業文化が発祥です。西洋占星術はキリスト教文化との関連が深いですが、二十四節気は太陽の黄経の度数により季節が分けられていることもあり、大きな流れは一致している点が多いです。

二十四節気を太陽のサインという視点から理解すると、西洋と東洋を包括した宇宙の流れやエネルギーを感じられるでしょう。季節とともに太陽のエネルギーを感じながら、季節を過ごしてみてください。

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