複合アスペクトのグランドクロスについて「活動宮」「固定宮」「柔軟宮」別に詳しく解説します。
グランドクロス(大十字)とは?
英語:Grand Cross
グランドクロスは、4つの天体による複合アスペクトで、スクエア90度4辺の正方形と、正方形の中にオポジション180度の2辺で十字架が形成されます。
グランドクロスのオーブ
スクエア90度の辺:太陽・月の場合±8度、そのほか±6度
オポジション180度の辺:太陽・月の場合±8度、そのほか±6度
グランドクロスの調べ方
- アスペクト表示のあるホロスコープ作成サイトで、出生図(ネイタルチャート)のホロスコープを作成します。
◆ホロスコープ無料作成サイト
https://www.astro.com/horoscope/ja - スクエア4辺で、大きな正方形が形成されているかを確認します。
グランドクロスの意味
グランドクロスは、ホロスコープを見るとわかるように、活動宮・柔軟宮・固定宮(不動宮)の3区分で、4つの天体がすべて同じ種類の宮に位置します。
グランドクロスの意味は、グランドクロスを形成する4つの天体が、どの区分に位置するかで知ることができます。
ネイタルチャート(出生図)にグランドクロスを持つ人は、スクエア・オポジションという対照的なエネルギーを持つことになります。そのため普段から、人格的にかなりの量の緊張を感じやすいです。生活に混乱がもたらされたり、なんらかのフラストレーションを抱えやすいでしょう。
自己の内面で、エネルギーの引っ張り合いがあるため、いつも複数の方向へと同時に引っ張られているような状態です。
そのため、意志決定や行動をしていくための、自分なりのバランスを見つけていく必要があります。エネルギーを激しく消費したり、ハードに動きまわったりして、バランスを取っています。
グランドクロスから知る相性
シナストリーチャート(相性図)において、二人のチャート間でグランドクロスが形成されるとき、ふたりの活動にバランスを取るためにエネルギーを使う必要があるでしょう。
すぐには良いバランスが見つからないかもしれません。さまざまな活動を通して、ふたりにとって良いバランスを見つけていくといいでしょう。
活動宮のグランドクロスの意味
牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座でグランドクロスを形成。
活動宮のグランドクロスを持つ人は、何かを始めるエネルギーを持ち、生まれつきのリーダーです。
ただし、自分自身では、グランドクロスのエネルギーを使って何をするべきか、正確にはわからないと感じているかもしれません。
活動宮のグランドクロスを持つ人は「望んだものをすべて手に入れる」という意欲と情熱を持ち、人生の複数の領域において、自己達成をしていくと良いでしょう。
なぜなら、自己表現、自律の必要性、他者との人間関係、家庭、そうしたそれぞれの分野において、「自分らしい場所を確立したい」という抑えがたい欲求があり、そうした欲求の間で揺れ動くからです。
また、様々な欲求の間で揺れ動くことで、自己内部の不安や対立も生まれます。
活動宮のグランドクロスは、他のグランドクロスに比べて、エネルギーの引っ張り合いがより強力です。興味と行動が異なる方向に引っ張られる感じがあるので、優先順位を決めるために葛藤します。
固定宮(不動宮)のグランドクロスの意味
牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座でグランドクロスを形成
固定宮のグランドクロスを持つ人は、自分のやり方にこだわり、自分なりのパターンを保持しようとします。
また、グランドクロスを形成するいずれかのサインのエレメントの性質にとらわれ、抜け出せなくなることがあります。
たとえば水サインの蠍座にエネルギーが偏っているときには、情にとらわれやすく、情を優先するあまり自分の判断で動けないようなことがあります。
固定宮のグランドクロスを持つ人は、変化への抵抗が大きいため、柔軟性を学んでいくことが重要です。
特定のサインの影響から抜け出す方法を身につけていくと、4つのサインのバランスを取ることができるようになり、サインの恩恵やメリットを受け取ることができるようになります。
柔軟宮のグランドクロスの意味
双子座・乙女座・射手座・魚座でグランドクロスを形成
グランドクロスのなかでは、最も柔軟性があります。グランドクロスのエネルギーの引っ張り合いにとらわれず、適応力を発揮することが可能です。
一方で、生き方を固定化することは苦手で、つねに流動的でいようとします。目の前の状況や一緒にいる人に合わせて行動します。
物事を自分で決めることが苦手なので、人に決めてもらおうとします。ですが、決めてもらっても、状況が変われば判断も変わり、ずっと同じ方針を貫くタイプではありません。
トランジットチャートのグランドクロスの意味
トランジット天体の一つと出生図のTスクエアによって、グランドクロスが形成された場合、3つ以上の天体がスクエアあるいはオポジションのアスペクトによる影響を受けます。
出生図のTスクエアの緊張関係に対してトランジット天体が加わると、さらなる葛藤のエネルギーが生じます。そのため、エネルギーの取り扱い方が難しく、普段はしないような過剰な行動が引き起こされる可能性があります。自分自身を律する必要のあるときでしょう。
グランドクロスを持つ有名人
グランドクロスを持つ有名人には、戦国武将の伊達政宗(1567年9月5日生まれ)がいます。
伊達政宗は柔軟宮(射手座-双子座-魚座-乙女座)のグランドクロスを持っています。
史実などからわかる政宗の人物像と、グランドクロスを形成するサインの関連性を見てみましょう。
<射手座>
明治天皇が政宗を「武将の道を修め、学問にも通じ、外国の事情にも思いを馳せて交渉を命じた。文武に秀でた武将とは、実に政宗のことである」と評したと記されています。
武将の道、学問、外国の事情という点に、射手座の要素が現れています。
<双子座>
政宗は筆まめな人物として有名で、全国に約2000点の伊達政宗が出した書状が現存しているそうですが、これは双子座の言語化能力、情報処理、勉学が関係しているのでしょう。
また、現存している書状の量が膨大という点からは、常にエネルギーの動きがあり続けた人なんだろうということが推測されます。
<魚座>
多趣味で芸事にも傾倒し、太平の世になると趣味に時間を費やし、晩年は1日たりとも無駄に過ごすことがない程だったと伝わっています。芸事に傾倒している点や、多趣味(=なんでもあり)という点に、魚座っぽさを感じられます。
<乙女座>
性格は非常に几帳面ながら柔軟さを持ち合わせていたそうですが、乙女座の几帳面さや柔軟さによるものでしょう。
伊達政宗は、戦国武将として南奥州を駆け巡り、戦のない江戸時代になってからは仙台藩62万石を治める為政者として活躍しました。
グランドクロスのエネルギーを存分に使い切り、几帳面かつ柔軟に動き回り続けることができたからこそ、戦国武将として乱世を生き抜き、太平の世となってからも文化人として活発に活動を続けていたことが読み取れます