こんにちは。ホロマムです。
マイナーアスペクトは、17世紀のドイツの天文学者であるヨハネス・ケプラーによって導入されました。
ケプラーは、それまでの占星術を作りかえて、数学的に研究した人物です。
そのため、マイナーアスペクトは占星術の歴史のなかでは比較的新しい概念です。いまだ研究途上ではありますが、近年注目が高まっています。
この記事では、マイナーアスペクトのクインカンクスを紹介します。
アスペクトの法則性などは、より深くメルマガにてお届けしています。宇宙法則からホロスコープを深めていきたい方は、ぜひ読んでみてくださいね!
クインカンクス(インコンジャンクト)とは
- ハードアスペクト
- クインカンクス(Quincunx):150度
- オーブ:±3度
2つの天体や感受点が、150度の角度を作るのがクインカンクスです。インコンジャンクトと呼ばれることもあります。
クインカンクスは、マイナーアスペクトの中でも、近年、注目されているアスペクトで、複合アスペクトのヨッドを形成するアスペクトの一つです。
クインカンクスの記号
クインカンクスの意味
- クインカンクス天体がお互いに働きかけ、改造したり作り変える
- 調教、訓練、加工
- 後天的な努力によって、2つの天体を協力させる
- 自然には獲得し得なかった資質を、努力によって得る
- 工夫して新しいものを作り出す
- 怠慢さがなく、日々少しずつ努力をする
- 出生図のなかにひとつでもクインカンクスがあれば、その人には努力をする精神が宿る
天体の組み合わせ別の意味
クインカンクスの天体別組み合わせ全パターンの解釈のヒントを紹介します。
月と水星のクインカンクス
月に対して、水星がさまざまな要求をします。月の表す基礎的な資質(性格など)が、水星を通して得た知識(たとえば、本を読むなど外部から取り入れた情報)により、変えられていくでしょう。
同様のことを、外に向けて行おうとするならば、幼児教育等に関わる人もいるかもしれません。
月と金星のクインカンクス
月に対して、金星がさまざまな要求をします。たとえば、月の表す日常生活に、金星の美意識が求められるため、「身だしなみをきちんとしなきゃ」など、自分で自分をしつけるようなことが、このアスペクトを持つ人の中で起こっているでしょう。
月と太陽のクインカンクス
のんびりリラックスして過ごしたい月に対して、太陽が「それは、本当に私の人生に必要なこと?」と、無駄を許してくれない態度になります。
太陽が示す人生の目的を生きるために、月が教え導かれます。
月と火星のクインカンクス
本来受動的な月に対し、積極的な火星が働きかけるため、行動的な性質を要求します。
その結果、受け身で過ごすことに後ろめたさを感じるかもしれません。怠けずに過ごす日常を作り出していきます。
月と木星のクインカンクス
私生活を表す月を、木星が目立たせようとします。
ひっそり自分だけのプライベートに閉じていたい月を、無理にでも開放的にさせようとします。このアスペクトを持つ人は、年齢を重ね、経験を積むほどに、どんどん自己開示することが平気に感じられるかもしれません。
月と土星のクインカンクス
月に対して、土星は繰り返し規則性を要求します。自分で自分を厳しくしつけるようなイメージです。
月と天王星のクインカンクス
月の私生活のあり方に対し、天王星が特異性を与えていきます。この人の生活パターンは、ありきたりで共感されやすいものにはならず、変わった生活嗜好を持った人になるかもしれません。
月と海王星のクインカンクス
海王星が月に対して、スピリチュアル的な能力を身に付けるように要求します。
このアスペクトは宗教や精神世界における指導者によく見られます。
月と冥王星のクインカンクス
月に対して、冥王星が厳しい訓練の日々を強います。幼少期に、徹底的に何かに取り組んだことがあるかもしれません。
水星と金星のクインカンクス
出生図においては、水星と金星のクインカンクスは形成されません。ですが、相性図などにおいて、このアスペクトは形成されます。
相性図の場合は、水星と金星はお互いに、それぞれの知性と感性をぶつけ合います。そのままでは協力しあうことができないため、お互いに少しずつ妥協することで、2天体を使った表現のようなことをするでしょう。
水星と太陽のクインカンクス
出生図においては、水星と太陽のクインカンクスは形成されません。ですが、相性図などにおいて、このアスペクトは形成されます。
相性図の場合は、太陽は水星に対して「目的意識に沿って、知性や言語を使う」ことを要求します。
たとえば、それまで自由気ままに調べたり、文章を綴ったりしていたAさんの出生図の水星に対して、Bさんの出生図の太陽がクインカンクスなら、Aさんは自由きままでではいられなくなり、Bさんによって「意味のある」文章を書くように要求されるでしょう。
水星と火星のクインカンクス
火星によって、水星は訓練されます。仕事などにおいて、向上心を持ち続ける人でしょう。
水星と木星のクインカンクス
水星は細部に意識を向けますが、木星は大雑把です。このアスペクトを持つ人は、最初は神経質な傾向があったとしても、次第に細かいことを気にしない、寛容さを身につけていきます。
水星と土星のクインカンクス
土星は水星を制限します。水星はコントロールされ、好奇心を制限されるでしょう。その分、一つの物事に継続的に根気強く取り組みます。
水星と天王星のクインカンクス
水星に対して、天王星は普遍的で抽象的であることを要求します。常識を超越できるほどの知性を身につけていく人でしょう。
水星と海王星のクインカンクス
海王星が表す曖昧な無意識領域を、人為的な努力によって言語化し、輪郭をハッキリさせていきます。
水星と冥王星のクインカンクス
冥王星が、水星に対して壁を超えることを要求します。徹底的に調査するとか、限界を突破するような、知性の働きを身につけていきます。
金星と太陽のクインカンクス
出生図においては、金星と太陽のクインカンクスは形成されません。ですが、相性図などにおいて、このアスペクトは形成されます。
太陽によって、金星の美意識はそのまま発揮するのではなく、太陽の示す目的意識に沿った形で発揮するように要求されます。
金星と火星のクインカンクス
金星の女性的なものと、火星の男性的な要素がクインカンクスすることで、お互いに、姿勢を変えていきます。
女性的な感性に加えて、男性の意見を取り入れてみたり、男性的な積極性に、女性的な受容性を取り入れてみたり、自己のなかで努力して折り合いをつけていきます。
金星と木星のクインカンクス
金星に対して、木星が豪華さや贅沢などを要求します。本来の金星のセンスと違うものを拡大するように要求されるため、ストレスもあります。
金星と土星のクインカンクス
楽しいことが好きな金星に対して、土星は後天的に、規律的であることを要求します。楽しみをほどほどに追求するような姿勢を身につけます。
金星と天王星のクインカンクス
金星に対して、天王星は普遍的に通用するレベルの美意識を要求します。
金星と海王星のクインカンクス
金星の感性に対して、海王星的な芸術要素が要求されます。
金星と冥王星のクインカンクス
金星の感性に対して、冥王星的な特異なものが持ち込まれます。クリエイティブな仕事で、こうした独自の感性を活かす人もいます。
太陽と火星のクインカンクス
太陽に対して、火星は意図的に無理をする姿勢を要求します。訓練によって、無理のきく人になっていきます。
太陽と木星のクインカンクス
木星は、太陽が本来もつ実力以上のことを要求します。手を広げ、人生のスケールを広げることを要求します。
太陽と土星のクインカンクス
太陽に対して、土星は継続的で勤勉な努力を要求します。
太陽と天王星のクインカンクス
天王星は、太陽の示す人生の範囲を特定せず、枠を無視して広げていこうとします。現代なら、ネット発信などを強いるかもしれません。
太陽と海王星のクインカンクス
海王星は、太陽の示す人生の範囲を意識的にゆるめ、広い範囲に拡大しようとします。そして非日常的な体験を求めます。
たとえば、お酒、バーチャルな世界、創作物などへの没入などが考えられます。
太陽と冥王星のクインカンクス
冥王星が、太陽の示す人生をまるっきり変えてしまおうとします。限界を超えるほど努力し、気絶してしまうようなこともあったかもしれません。
火星と木星のクインカンクス
火星が示す積極性と、木星の受容性、どちらも取り入れて、居心地の悪さを感じながらも、意識的に取り組んでいこうとします。
たとえば、「顧客のおしゃべりを聴き続けることで、営業をしているビジネスマン」みたいなイメージです。
火星と土星のクインカンクス
火星の積極性に対して、土星の制限の要素が加わります。このアスペクトを持つ人は、普通の人が苦痛と感じるレベルの努力を、継続できる人かもしれません。
火星と天王星のクインカンクス
ローカルな慣習に染まらない性質の天王星によって火星が訓練されるため、このアスペクトを持つ人は、周りに迎合しない姿勢を育てていきます。
火星と海王星のクインカンクス
非物質的な海王星が、火星に対して霊感によって行動することを要求します。このアスペクトを持つ人は、後天的にサイキックな力を身に付けていくかもしれません。
火星と冥王星のクインカンクス
冥王星が、火星に対して徹底的に行動し、挑戦することを要求します。
木星と土星のクインカンクス
土星と木星のアスペクトは教育的です。クインカンクスは訓練なので、厳しさを持った育成というイメージになります。
木星と天王星のクインカンクス
天王星は、木星に対して、枠を取り払うことを要求します。特定のカテゴリーに収まらずに、木星を働かさなければいけません。
たとえば、木星を9ハウスに持つ人がアカデミックな研究をしていたとしたら、天王星がクインカンクスすることで、学問的・学部的なカテゴリの範囲を超えた、その外の領域まで
研究を拡大していく、といったイメージです。
木星と海王星のクインカンクス
海王星の力が木星に降りてくることで、目に見えないスピリチュアルな力が、善なる意識に持ち込まれます。これは個人の能力というよりは、心の姿勢の訓練です。ボランティア精神を鍛えるようなイメージです。
木星と冥王星のクインカンクス
木星は肯定性です。冥王星の極限的な力によって、一度壊れてしまったものを、前向きにやり直す、修理するような姿勢を訓練します。
土星と天王星のクインカンクス
土星は閉鎖的で、天王星は新しく普遍的な要素を持ち込みます。土星は、抵抗を感じながらも、こうした天王星がもたらす新しさに、順応しようと努力します。
土星と海王星のクインカンクス
几帳面な土星に対して、海王星のカオスが要求されます。そうすると、必ずしも清廉潔白ではいられず、さまざまなものを引き受ける姿勢を後天的に身につけていきます。政治家のようなイメージです。
土星と冥王星のクインカンクス
冥王星は土星に対して、本来乗り越えられない壁を、努力と忍耐で乗り越えることを要求します。プレッシャーの強い、重苦しいアスペクトです。
天王星と海王星のクインカンクス
海王星の非言語情報を、天王星はテレパシーで受け止めます。このアスペクトだけで、個人へと具体的な働きかけをすることは、ほとんどありません。世代的なものです。
天王星と冥王星のクインカンクス
冥王星が異界から持ち込んだもの通じて、天王星が改革の力を発揮します。このアスペクトは世代的なものですから、個人が具体的に意識することは難しいでしょう。
海王星と冥王星のクインカンクス
冥王星が異界から持ち込んだものを、海王星が集合無意識的に受け取ります。このアスペクトは世代的なものですから、個人が具体的に意識することは難しいでしょう。
シナストリーチャートにおけるクインカンクス
自分の出生図と相手の出生図の天体間でクインカンクスが形成されると、出生図の読み方とは異なり、お互いに「見えない、重なり合わない」という読み方になるため注意が必要です。
- お互いに出会う機会が少ない
- 興味関心が一致しない
といった傾向がでてきます。
そのためインターアスペクトにおいて、クインカンクスが少ないほうが密な関係性となり、重なり合う部分が多いということでもあります。
もちろん、クインカンクスがあっても結婚をすることもあります。ただ、結婚後に「二人で一つの人生を生きる」という状態にはなりにくい傾向があるでしょう。
アスペクト参考文献
アスペクト解釈大事典
アスペクトの学びについて
アスペクトは複雑で難しいので、一気に理解しようとすると混乱してしまいますよね。
また、アスペクトを理解するためには、基礎のサインや天体への十分が必要です。
アスペクトは天体同士の関係性なので、登場人物(天体)の性格(サイン)を先にしっかりと抑えたうえで、人物たちの関係性(アスペクト)を読んでいくようにしましょう。
メルマガでも、ホロスコープの読み方のコツをお伝えしておりますので、もしご興味ありましたら学びにきてくださいね!