西洋占星術を活用して、ホロスコープを読むときに最低限覚えておかなくてはならない項目は、12サイン、惑星、12ハウス、アスペクトの4点となります。
この中でも、アスペクトは、解釈が難しいとされていて、初心者の方がつまずきやすいのもアスペクトです。
アスペクトを理解するために、意味だけではなく成り立ちからも解説します。
ホロスコープのアスペクトとは
西洋占星術は、生まれたときの天体配置をホロスコープというチャートに描きます。
この中で、惑星や感受点が、他の惑星と決まった角度を持ちます。これを、アスペクトと呼びます。
アスペクトは、惑星と惑星、あるいは惑星と感受点が幾何学図形の一辺を構成しているとみなします。
アスペクトの意味は、元となる幾何学図の意味から取り出されます。
アスペクトは、惑星の移動とともに瞬間的に作り出される動的な配置です。
惑星はそれぞれ、異なる公転速度で動いています。それらの惑星同士の時間の動きのなかで、成立するのがアスペクトです。
アスペクトのオーブとは?
いずれのアスペクトも、角度が完全に一致しなければならないわけではなく、多少の差異が認められています。この許容範囲のことをオーブといいます。
オーブは、アスペクトの種類ごとに度数が異なりますが、松村潔先生はご著書のなかで、メジャーアスペクトは3度以内、マイナーアスペクトは1度以内までが適切とおっしゃっています。
アスペクトを理解するために、必要なこと
アスペクトの解釈が難しい理由として、次のようなものが挙げられます。
- 惑星に対して、1つだけアスペクトがあることは少なく、複数の惑星とアスペクトをとること
- トランジット天体は動きつづけているため、アスペクトが生成されたり消失すること
- 複数のアスペクトを、統合的に読む必要があること
しかしながら、アスペクトの根底にあるのは幾何学図形であること理解すると、アスペクトを読み解く手助けとなります。
このページでは、アスペクトを幾何学図形の一部として捉え、学習するための情報を記載します。
メジャーアスペクト一覧
アスペクトには代表的なアスペクトであるメジャーアスペクトと、その他マイナーアスペクトがあります。
この記事では主にメジャーアスペクトについて解説します。
0度のアスペクト:コンジャクション
天体と天体が、黄道上で0度に重なる状態。
0度のアスペクトは、コンジャンクションになります。基本的には、コンジャンクションだけでは意識は動き出さず、他のアスペクトとの組み合わせにより、力を発揮していきます。
コンジャンクション自体は、異なる公転速度の惑星同士が、混ざり合うタイミングであるため強いパワーを持っています。
180度のアスペクト:オポジション
天体と天体が、黄道上で180度反対に位置する状態。
- 幾何学図:円を2分割
- 度数:180度
- オーブ:±6~8度
円を二つに分けると、鏡のような性質を持ちます。お互いに向かい合うためのターゲットが決まります。
意識というのは、何かに対抗したり、壁にぶつかったりして、始めて意識できる状態となります。
円の2分割のアスペクトは、180度(オポジション)です。180度は、意識を対外的に向けていこうとする状態です。アピール力や巻き込み力として表れます。
120度のアスペクト:トライン
天体と天体が、黄道上で120度の角度を持つところに位置する状態。
- 記号:△
- 幾何学図:正三角形
- 度数:120度
- オーブ:±4~5度
正三角形は、極めてシンプルな図形です。のびのびと大きく拡大するような性質があります。加速して飛んでいくようなイメージです。
また、3次元の世界において、3は外界の影響に振り回されにくく、安定する数字とされます。椅子は脚が3本あれば、地表にまっすぐ立つことができます。
アスペクトは120度(トライン)です。同じ元素間となることが多いため、安定感がありながら、元素の特徴を活かして拡大しやすいアスペクトです。
90度のアスペクト:スクエア
天体と天体が、黄道上で90度の角度を持つところに位置する状態。
地上は、4つの原理で構成されています。東西南北、春夏秋冬、朝昼夕晩、火地風水など、環境の特質を表すときに4という数字がよく使われます。地に足の着いた形とされます。三角形が、飛んでいく図形だとすると、反対に四角は飛び立てません。4の数字は、グラウンディングを表します。
4つの要素の中には、2つのグループを含み、それぞれ対立しています。たとてば、風と火、水と土というグループはお互いに反発する性質です。
これらの対立するもの同時に含むため、葛藤や緊張感を生み出します。
しかしながら、地上において、何かを具現化したり、地に足の着いた活動をするためには、四角形の力が必要となってきます。
90度(スクエア)は正方形の図形の一辺です。
60度のアスペクト:セクスタイル
天体と天体が、黄道上で60度の角度を持つところに位置する状態。
六角形は、三角形とそれに対して反対向きに三角形の組み合わせです。反対に組み合わされた三角形は、どちらも主導権を握らずに、相対的に働きます。
60度(セクスタイル)は六角形に属しますが、60度のアスペクトをとる天体同士は、それぞれ異なる三角形に属することになります。それはつまり、120度(トライン)のアスペクトが同一元素内に収まるのに対し、セクスタイルは、三角形の軽さを持ちながらも、異なる元素間での関わりや新鮮な刺激を持ちます。
それゆえ、アスペクトの中でも、非常に使いやすいアスペクトであると言われます。
マイナーアスペクト
アスペクトは、代表的なメジャーアスペクトと、歴史の新しいマイナーアスペクトの2つに分類されます。
セミセクスタイル
30度 セミセクスタイル
ノヴァイル
40度 ノヴァイル
(Nと表記されることもあります)
セミスクエア
45度 セミスクエア
セプタイル
51.428度 セプタイル
(Sと表記されることもあります)
クインタイル
72度 クインタイル
(Qと表記されることもあります)
セスキコードレイト
135度 セスキコードレイト
バイクインタイル
144度 バイクインタイル
(Q²と表記されることもあります)
クインカンクス/インコンジャンクト
150度 クインカンクス(インコンジャンクト)
ホロスコープを始めたばかりのときは、メジャーアスペクトに慣れていくのがおすすめです。
図形の角度の観点で捉えたときには、幾何学図形の一辺をなす以下のマイナーアスペクトを、ホロスコープの読み解きに取り入れても良いでしょう。
- 72度(クインタイル):五角形
- 51.428度(セプタイル):七角形
- 45度(セミスクエア):八角形
- 40度(ノヴァイル):九角形
また、マイナーアスペクトのうち、150度(クインカンス/インコンジャンクト)は、近年取り上げられることが多いアスペクトです。
ハードアスペクトとイージーアスペクト
アスペクトの力の作用の大きさにより、ハードアスペクトとイージーアスペクト(ソフトアスペクト)に分類されます。
ハードアスペクトのほうが、葛藤や強い影響を与えやすく、イージーアスペクトは易きに流れやすいと言われます。
ハードアスペクト
・0度 コンジャンクション
・45度 セミスクエア
・90度 スクエア
・135度 セスキコードレート
・150度 クインカンクス(インコンジャンクト)
・180度 オポジション
イージー(ソフト)アスペクト
・0度 コンジャンクション
・30度 セミセクスタイル
・60度 セクスタイル
・72度 クインタイル
・120度 トライン
・144度 バイクインタイル
なお、コンジャンクションは、コンジャクションだけでは力が発揮されず、コンジャクションしている天体と他の天体が別のアスペクトを形成することによって力を発揮します。
そのため、ほかの天体とどんなアスペクトを形成するかにより、ハードアスペクトにもイージーアスペクトにもなり得ます。
複合アスペクト
アスペクトは、ここまで紹介したような2つの天体により形成されるものだけでなく、3つ以上の天体により形成されるものもあります。そのような3つ以上の天体で形成されるアスペクトのことを複合アスペクトといいます。
複合アスペクトは、通常のアスペクトよりも強い影響力を発揮します。
代表的な複合アスペクトは、次の5つです。
グランド・トライン
グランド・クロス
グランド・セクスタイル
小三角
Tスクエア
それぞれの詳しい意味は、『複合アスペクト』をご覧ください。
12サインにも、図形の意味が含まれる
実は、アスペクトだけではなく、12サインの背後にも図形の意味が含まれます。
4元素は、三角形のサインです。たとえば、火のサインであれば、牡羊座・獅子座・射手座が正三角形を構成します。
活動宮、柔軟宮、固定宮という3区分では、十字の正方形の関係が作られます。
ですが、サインはアスペクトとは異なり、いつも決まった配置です。
惑星同士のアスペクトは動的なものでしたが、サイン同士の特性は静止した性格です。
おすすめ文献
あらゆるアスペクトパターンが掲載されております。少し価格は高いですが、プロを目指す人は必見です。