ホロスコープを読むとき、月~冥王星までの10天体を読むのが一般的。ですが、10天体に加えて小惑星をチェックする場合もあります。
占星術で主に扱われる小惑星は四大小惑星で、他にはキロン(カイロン)を読むことも多いです。
- セレス(ケレス)
- バラス
- ジュノー
- ベスタ
ここでは、四大小惑星のベスタについて、基本情報や12サイン別の意味などについて詳しく解説します。
ベスタの基本情報
ベスタは、1807年にドイツで発見されました。英語では、 Vestaと書きます。
ベスタの名前は、ローマ神話に登場する聖火を守るかまどの女神の名前に由来しています。女神ベスタは、「聖なる火」を絶やさぬように、ひたすら見守ることが職務でした。
そこから、家庭や家族の女神として信仰され、古代ギリシアのすべての都市において、彼女の祭壇として暖炉が設けられていたと言われます。
小惑星のベスタは、地球の構造と同じように、惑星内部が層構造になっています。これは、ほかの小惑星には見られない性質です。層構造を持つということは、過去に惑星内部が燃えて溶けたからです。
ベスタが「かまどの女神」であり、人の内で燃える火を象徴するのは、こうしたベスタの構造に由来するものだからなのでしょう。
ベスタの記号
ベスタの公転周期
公転周期は、おおよそ3年7か月(1325日)です。
また四大小惑星は、それぞれ女性性に関係する意味を持ちます。火星は男性性の星ですが、その一方で四大小惑星は「失われ、今なお統合されていない聖なる女性性」を象徴するものなのかもしれません。
ベスタの調べ方
小惑星は、ホロスコープの無料作成サイトでは調べられないものもあります。
そこで、ベスタの配置を調べられるおすすめの無料作成サイトを紹介します。
■Astrodienst(アストロディエンスト)
https://www.astro.com/horoscopes/ja
1.ホロスコープ各種作成>出生データによるいろんなチャートのページへ
2.必要事項を記入し、そのほかのオブジェクトを開き、ベスタを選択
3.クリックしてチャートを表示をクリックベスタがホロスコープに表示されます。
ベスタの意味
ベスタは私たち自身の中の炎です。それは夢を実現しようとする野望の火であり、困難な世界で生き残り続けたいという願いです。
その炎は私たちを導き、人生における目標の達成と夢の実現の喜びを教えてくれます。
ベスタは私たちの内なる光であり、私たち自身の内なる生命なのです。
また女神ベスタは、ローマを存続させるために炎を絶やさぬよう献身する必要があったため、恋愛を禁じられていました。そうした処女性ゆえに、ホロスコープにおけるベスタは、恋愛については示しません。恋愛とは切り離され、ほかと交わらずに自分に集中できることから、その人自身の内なる光を示しています。
出生図におけるベスタのサインやハウス、アスペクトなどを分析することで、その人物の内なる光を発揮できる事柄などを知る手がかりを得ることができます。
ベスタの意識は実際の仕事に向けられるケースが多いですが、特定の人間関係や趣味、ボランティアなどに没頭するという形で表れることもあるでしょう。
ベスタのサインからわかること
ベスタのサインからは、次のようなことがわかります。
・内なる使命の探求の道しるべ
・自分自身の道へと繋がるために、内なる光をどのように輝かせるか
出生図における12サイン別のベスタの意味を紹介します。
ベスタが牡羊座の人の特徴
ベスタが牡羊座の人には大胆さがあります。強い内なる光が燃えている人でしょう。
エネルギーとモチベーションは、野心によって燃え上がります。自己実現が困難であるほど、目標に向かう意志が強くなるでしょう。目標を達成するために危険を冒すこともあります。自分らしさを重視し、自分で決めた目標には突き進みます。一方で、他者から強制された目標では力が発揮できません。
欠点があるとすれば、仕事においては衝動的でせっかちになる点でしょう。
ベスタが牡牛座の人の特徴
ベスタが牡牛座の人は、粘り強さがあります。物事を始めるのには時間がかかりますが、一度始めれば継続することができます。
一方で、自分のやり方に固執しすぎる傾向があります。
また、身体感覚や、快楽、快適さといった感覚を指針として、自分自身の道を探求していきます。芸術や、美しいものを愛するでしょう。
ベスタが双子座の人の特徴
ベスタが双子座の人は、素早く情報処理しながら、献身的に知的な探求を行います。継続的に学ぶことや文章を書くことを通して、自分の意志を越え、天が示してくれたと思える物事について、明らかにしていくでしょう。
また、他者と一緒に働くことで、相手に必要なメッセージを届けていく人でもあります。他者と一緒にいることにより、内なるエネルギーが強く輝くでしょう。
ベスタが蟹座の人の特徴
ベスタが蟹座の人は、自分の感情を受け取り尊重する行為によって、内なる光を見つけていきます。
自分の気持ちと外の世界の現実の折り合いをつけるために、自分なりの儀式を必要とするかもしれません。
また、他人に必要とされ、愛する人のために生きることも、ベスタ蟹座の人の生きる道です。家族を養うことや養育することに喜びを感じるでしょう。
ベスタが獅子座の人の特徴
ベスタが獅子座の人は、創造力を発揮するための空間を求めます。
獅子座のエネルギーは未熟な状態だと、他者をコントロールして「わたしは正しい」と自分を絶対的なものであることを確認する傾向があります。
ですが、獅子座のエネルギーを「コントロール」や「支配」ではなく、自分自身の内側から沸き起こる「自己表現」に向かわせることによって、自分自身を正しく崇拝し誇ることが可能になります。
自分の創造性やオリジナリティを遊ぶように発揮できるとき、内なる光が燃え上がるでしょう。
ベスタが乙女座の人の特徴
ベスタが乙女座の人は、日々の親切な行為、他者や大いなるもの(神様や自然、脈々と続いている祖先の魂など)への奉仕によって、自分の精神性とつながる道に向かっていくでしょう。
地に足がついており、組織のなかで実用的な仕事を献身的にやり遂げることができます。
ベスタが天秤座の人の特徴
ベスタが天秤座の人は、公平さと正義、調和を求めます。こうした性質は、とくにデザインや美学的な領域において集中力を伴って発揮されるでしょう。
パートナーに対しても献身的に振る舞うと同時に、対等な関係性を望みます。正義とのバランスを大切にしながら、対等な相手とともにいることで、内なる光にエネルギーが与えられます。
ベスタが蠍座の人の特徴
ベスタが蠍座の人は、手に入れたいもののためには、どん底まで潜れる度胸があるでしょう。
セクシャルなもの、タブーとされる領域、神秘的なものに対して、重要な仕事に携わることもあります。たとえ道をさえぎるものがあったとしても、物事の深層を見抜きながら、鋭い知恵を働かせて乗り越えていくでしょう。
また、特定の相手に対して責任をもって強く関わっていきます。
ベスタが射手座の人の特徴
ベスタが射手座の人は、自由を求め、どこまでも学びの追求をしていきます。
他人に縛られることを嫌うため、他者ではなく自分を信じる力が必要でしょう。独りよがりにならないように、客観的な視点で自分の行いを定期的に振り返るといいでしょう。
また、海外や宗教、人道的な仕事を通して、自分の内なる光を輝かせていくでしょう。
ベスタが山羊座の人の特徴
ベスタが山羊座の人は、自分を律し、必要な物事に集中していきます。いったん目標を定めたら、必ず果たしていこうとするでしょう。
ハードワークや自己の抑圧、仕事への献身を通して、自分の内なる光を発見していくかもしれません。
厳格になりすぎて苦しくならないよう、適度に楽しいことや息抜きができるといいでしょう。
ベスタが水瓶座の人の特徴
ベスタが水瓶座の人は、変化と新たなアイデアを切望しています。
社会における理不尽さを敏感に感じ取り、より自由で平等な社会を実現していきたいと考えています。
社会的な大義のために身を捧げていくことは、水瓶座が考える「人はこうあるべき」という高尚さをまっとうできる幸福が感じられ、内なる光の道を称えていくことへと繋がります。
ベスタ水瓶座の人は、権威との衝突を経験するかもしれません。また、テクノロジーや技術を扱うことに長けている人もいます。
ベスタが魚座の人の特徴
ベスタが魚座の人は、精神的な道を歩む人です。何かに打ち込み、完全に没頭することができます。
ときに世界の苦しみに心を痛めることがあります。よりよい世界を創造するために、心、魂、霊といった精神的領域に携わっていくでしょう。
ベスタのハウスからわかること
ベスタが位置するハウスからは、ベスタによる献身とコミットメントが、人生のどの領域において強く発揮されるかが示されます。
第1ハウスのベスタ
ベスタが第1ハウスにある人は、無邪気で純粋です。
身体を鍛えたり強化することに専念することがあります。また、個人に力を与えるような仕事に意義を見いだすでしょう。
第2ハウスのベスタ
ベスタが第2ハウスにある人は、自分の才能を生かそうとします。
また、安全と生命の維持のために必要なお金などのリソースを確保しようとします。
食べ物やお金、快適な環境を守り維持することに関連する仕事に、神聖さを感じるでしょう。
第3ハウスのベスタ
ベスタが第3ハウスにある人は、刺激的な物語を伝えること、教育分野の仕事などに対して情熱を持ちます。
また、アイデアや考えによって、他者を助けていくでしょう。
第4ハウスのベスタ
ベスタが第4ハウスにある人は、家庭、家族、自分の居場所を大切にします。
家庭や家、不動産に関わることや、介護や養育に関わる仕事に就くとよいでしょう。
また、子どものときから家族のための責任を背負っていた可能性があります。
第5ハウスのベスタ
ベスタが5ハウスにある人は、創造的な自己表現に専念します。
エンターテイメント、表現活動などを通して、自分のなかの炎を燃やしていきます。
また、子どもの幸福のために献身的に子育てをする親を示唆する場合もあります。
第6ハウスのベスタ
ベスタが第6ハウスにある人は、他者のために働き、常にベストを尽くしたいと思っています。
必要な技術・技能を習得し、素晴らしい仕事をすることが大切だと考えています。健康管理や動物の世話に関連した仕事にも適性があります。
第7ハウスのベスタ
ベスタが第7ハウスにある人は、人間関係に熱心です。
交流や交渉、取引、場の調整などを行う仕事を天職だと感じるかもしれません。
第8ハウスのベスタ
ベスタが第8ハウスにある人は、根源的で大きな変化の渦中にある人々を助ける仕事をするかもしれません。
感情、性、お金といったエネルギーの取り扱いに長けている可能性があります。
第9ハウスのベスタ
ベスタが第9ハウスにある人は、知識を得て真実を探求することに専念しています。
宗教、法律、哲学、旅行、高度な教育に関連した仕事に携わる可能性があります。
第10ハウスのベスタ
ベスタが第10ハウスの人は、自分自身が決めた目標を達成するために野心的に努力します。
社会のなかで人々の役に立つような仕事に天職を見つけるでしょう。
第11ハウスのベスタ
ベスタが第11ハウスにある人は、コミュニティの人々とともに、献身的に社会のための活動をします。
不平等を嫌い、よりよい世の中へ変革していきたいと考えているでしょう。
第12ハウスのベスタ
ベスタが12ハウスにある人は、スピリチュアルな分野を研究し、宇宙の秘密を理解したいと考えています。
精神的な分野での献身を通して、神聖な使命を見いだしていくでしょう。世間から離れてひとりきりで過ごす時間を必要としています。
ベスタからわかる相性
シナストリーチャート(相性図)において、ベスタと相手の天体やアングルとコンジャンクションしている場合、ベスタ側の人が、相手に対して献身的な姿勢で関わっていくでしょう。
一方でベスタと相手の天体がハードアスペクトを形成する場合は、注意が必要なこともあります。
相手に対しての献身やコミットメントと、ベスタを持つ人の進むべき道・使命の方向性が沿っていればいいですが、そうではない場合、ベスタを持つ人が没頭している活動と相手からのアプローチが相反してしまうことがあります。
男女間(あるいは性的な関係性)で表れた場合、ベスタを持つ人側が、相手からの性的な接触を拒絶してしまうこともあるでしょう。
ベスタはどんな時に読むといい?
内なる道、使命の方向性を知りたい場合は、ベスタを読むといいでしょう。
また、ベスタが示すのは「何にだったら全身全霊を懸けて仕えることができるか」ということでもあります。
四大小惑星は、それぞれ女性性の意味を持ちますが、ベスタは「処女性」を示します。処女性とは、実際に性的な交わりと距離を置くといった物理的なことだけではなく、世間が押し付ける「女性らしさ」「女性としての幸福」といったお仕着せの価値観を拒絶することで自分の内にある源の光と繋がることでもあります。
陰(女性性)を拒絶する(陰)行為により、陰極まって、陽に転ずるような在り方も示唆しています。陰(-)×陰(-)=陽(+)このプロセスは、より純粋な自己を獲得していくことに繋がっていきます。