ホロスコープ12ハウスの意味・読み方を解説

12サイン、天体と並び、ホロスコープの基本中の基本であるハウスについて、意味や読み方について解説します。

目次

ハウスとは?

占星術をはじめたばかりの方は「サイン(星座)とハウスはどう違うの?」と思った方もいるかもしれませんね。

サインはホロスコープを12等分にするため、すべてが同じ大きさで必ず30度です。ですが、ハウスはその部屋によって、大きさ(度数)が異なります。

サインとハウスの違いは次のようになります。

サイン:天球上の太陽の通り道である黄道を12等分にする

ハウス:生まれた瞬間、生まれた場所から見て黄道が太陽を通過する時間にあわせて12分割する。

そのためハウスを割り出すには、生年月日だけでなく、生まれた時間(何時何分)と生まれた場所(日本の場合、都道府県)が必要となります。

生まれた時間がわからなくても、ホロスコープを作成することができますが、ハウスがわからないホロスコープとなります。

ハウスからわかること

サインは個人の感覚やセンスをあらわし、ハウスはあなたの人生の舞台を表しています。

10個の天体たちは、サインの性質をさまざまな人生のエリアに伝えてまわります。

この人生のエリアこそハウスです。天体がどのエリア=ハウスにあるかにより人生のテーマを読み解くことができます。

とくに天体が多く配置されているハウスが、あなたの人生にとっての鍵となるエリアです。

12ハウスの概要

12ハウスのうち、どのハウスが強調されているか?それがわかれば、あなたの人生のテーマも自ずと見えてくるのです。

ここから12のハウスについて見ていきましょう。ホロスコープにおいて、とくに天体の多いハウスが、あなたの人生にとっての鍵となるエリアです。

第1ハウスの意味:エネルギーを自分で使う

近代占星術の一般的な定義:その人自身、性格、外見、行動様式、気質
1ハウスは東側に位置して、太陽が昇る場所である。そのため1ハウスは「生命」の象徴、生気も示す。
古来から東は「陽」「光」を象徴し、色は太陽の光に由来「白」が割り当てられる。
白色光はプリズムで分光することができて、虹のような7色になる。
ここからスタートしていくということ。1ハウスで得た白色光を虹色に展開していく。1ハウスはその人のエネルギーの大元となる。
その強い生命エネルギーをどう使っていくか?という視点で読むといいでしょう。
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第2ハウスの意味:冥界からの帰還

近代占星術の一般的な定義:金銭、所有物、遺伝などの肉体リソース、収入、才能

2ハウスと8ハウスの軸は、お金の軸と言われることがあります。特に2ハウスは「稼ぐ」ハウスで、8ハウスは「継承する」ハウスであるというのが一般的です。

ですが、こうしたお金や富、物質的な豊かさというのは、どこから生じているものなのでしょうか。

古代神話(シュメール神話)における「イナンナの冥界下り」では、イナンナという女神が冥界に入るために持てるものを捨てて、その代りに神通力を手に入れました。

最終的には、全裸になり、衣服や宝石をすべて脱ぐ必要がありました。冥界へ入っていくプロセスは8ハウスです。

一方で、冥界から出たあとが、2ハウスに相当します。イナンナは冥界にいって死んでしまうのですが、死体に、命を与える植物と、命を与える水がイナンナを振りかけてもらういことで蘇りました。

ですから、2ハウスが意味する物質や所有物の増加、富というものを考えるときに本来意識する必要があるのは、死からの再生であり、喪失からの所有という転換や循環をイメージすることです。

また、2ハウスは、豊かさと繋がることから、期待・希望のハウスとも言われます。

ただ、その一方で、冥界との繋がりのあるハウスですから、運命やDNAとといった8ハウス的な世界に縛られている部分があると知ることも大切です。

ですから、2ハウスは、お金とか稼ぐとか、そういう即物的な側面だけではなく、自分が暗いどんな過去と繋がっているか意識して、運命と向き合うことをしていくハウスになります。

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第3ハウスの意味:女神のハウス

近代占星術の一般的な定義:学校生活、通信、短期旅行、教育、兄弟、コミュニケーション
3ハウスは3番目のサインである双子座の支配星である水星の影響を受けていますが、実は古代の考え方においては月との関連が最も深いハウスです。
紀元前、3ハウスは『女神のハウス』と呼ばれ、月の神殿であるとされました。月は、この世界で「日常的」「地上的」な事柄に対して、最も強力に作用します。(地球に一番近い天体のため)
ですから、さきほどの定義に、さらに「身近な人との交流」「同世代における意見交換」「書くこと」「隣人との共同体精神」「友人」「旅人」「メッセージを伝える使者」といった意味をが加わってきます。
つまり、3ハウスというのは地上に豊穣をもたらす、影響の伝達者を意味します。
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第4ハウスの意味:地の底

近代占星術の一般的な定義:両親、祖先、家、土地、プライベート、無意識、心理

なお、古典時代には両親、中世には系図の起源となる父、現在では4ハウスは母とう説があります。

冥界の最深部とも言われる場所です。ここでいう冥界とは地底のことです。

そのため、4ハウスは地の底に隠されたもの、集合的無意識(共同体意識)、隠されたルーツを示します。

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第5ハウスの意味:喜びのハウス

近代占星術の一般的な定義:創造性、出産、子ども、趣味、楽しみ

5ハウスのカスプは、1ハウス30度と仮置きすると、アセンダントから120度(トライン)になります。そのため、アセンダントの生気を、のびやかに受け取ることができるハウスで、活き活きとしたエネルギーを多く使えるハウスです。

愛、楽しみ、喜びを示すハウスとなります。

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第6ハウスの意味:使役のハウス

近代占星術の一般的な定義:労働、健康管理、医療、他者貢献(サービス)

何かに使役するものを意味します。このハウスが「会社や常識に自由を制限された労働者」と定義されることもありますが、本質的な意味としては「自分より大きなものに仕える」ということです。

6ハウスに星を持つ人は、自分が「何に仕えていきたいか?」を問うといいでしょう。自分の信念や真実、神仏、医学、神聖なものごとなど、自分自身にとって正しく清い生き方を問うことで6ハウスの意味が見えてくることがあります。

逆に自分の信念が見えない状態のまま過ごしていくと、他者や社会に利用されて疲弊してしまうことがあります。

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第7ハウスの意味:エネルギーを委ねる

近代占星術の一般的な定義:パートナー、生活や行動をともにする相手、協力関係、結婚、契約、裁判

7ハウスは西に位置します古来から西は「敵」「戦い」を表すします。つまり、西というのは、”力とエネルギーを自分ではないものに委ねる”ことの象徴です。

そのため、7ハウスでは自分を「委ねる」ことが上手くいけば「協力」「任せる」ことが可能になります。一方で、上手くいかなければ「喧嘩」「訴訟」に発展するということになります。

また、他にも東=昼/男性性、西=夜/女性性に分類されることから、7ハウスは「女性全般」も示します。7ハウスに天体を持つ人が「すでに道の先をゆく女性に引き上げてもらう」といったことがあります。

ですから7ハウスについては、自分の力やエネルギーを誰にどう委ねるか?といった視点で読むといいでしょう。

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第8ハウスの意味:冥界への入り口

近代占星術の一般的な定義:遺産、継承、死、性、融資(大きな他人のお金を受け取ること)、変容

2ハウスで解説したとおり「イナンナの冥界下り」では、イナンナが冥界に入るために持てるものを順番に全て捨てていって、その代りに神通力を手に入れました。

こうして冥界へ入っていくプロセスが8ハウスであるということです。

これは、2ハウスで手に入れたものの執着を手放して、個として所有していたものを捨てていくプロセスでもあります。所有を手放すほど、より大きな力(個人ひとりでできるものより、大きな力)を得ていきます。

そうした意味なので、8ハウスを読むときに、単にキーワードで死とか、遺産というだけではなくて、個人の富や所有物を手放すほどに、別の力を得ているという、循環を知ることが大事です。

自分は何を手放してきただろう?その代わりに、自分ひとりでは得られなかった、どんなパワーを手に入れてきただろう?そう問うといいでしょう。

わかりやすいのは、名声です。

目先のお金儲けを捨てことで、人気とか名声が手に入ることがあります。ですが、けっきょく、人気や名声が手に入れば、お金は自然と循環してやってきます。

そうした循環を意識していくと、より本質にそった8ハウスの読み解きができるでしょう。

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第9ハウスの意味:神のハウス

近代占星術の一般的な定義:高等教育、外国、宗教、道徳心、学問、哲学、応用力

紀元前において9ハウスは太陽の神殿であるとされました。そのため、神々の意志に関連するものが9ハウスで示されるものです。

ですので、一般的な定義以外にも、運命、予言、占星術、教会、未知の世界への探求(人間の限界を超えて、神々の世界へ連れていく)といったことが9ハウスです。

つまり、9ハウスは”通常の範囲をはるかに超えた場所”を示します。

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第10ハウスの意味:天の城

近代占星術の一般的な定義:キャリア、職業、社会的地位、名誉

対向の4ハウス(IC)は私たちの存在の根源、ルーツを表すのに対して、10ハウスは、現実社会で属するコミュニティにおける努力や義務を果たした成果を表します。

実は、10ハウスは伝統的には「母親」を示すハウスでもあり、必ずしも社会的な職業だけが10ハウスではありません。

その人が、自分のコミュニティで努力して、その結果が10ハウスに現れます。ですから10ハウスを読むときに、自分が経歴を積んできたコミュニティとは?その定義を確認するといいでしょう。

必ずしも「職業」に留まらず、その人の周りからの「評価」や「評判」を示すのが10ハウスです。

読み方の例として

10ハウス月:お母さん業を頑張ってきた人
10ハウス海王星:芸術とか、クリエイティブな仕事で頑張ってきた人 などと読むことができます。

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第11ハウスの意味:幸運のハウス

近代占星術の一般的な定義:友人知人、コミュニティ、未来志向、自由
最も幸運なハウスであるとも言われています。というのも、10ハウスも栄光を意味するよいハウスではあるのですが、そこはある種の完結の場所です。
11ハウスには、完成形の先、そこからさらに目指す先の希望が存在することになります。
そのため、自分と世界に対する「信頼」「希望」「自信」「賞賛」などと結びつき、楽観性を持ちながら、喜びとともに努力することができるハウスです。
またそうした楽観的で喜びに満ちた努力によって、霊感が呼び起こされるハウスでもあります。
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第12ハウスの意味:隠されたハウス

近代占星術の一般的な定義:スピリチュアル、精神性、神秘主義、無意識、奉仕
12ハウスはアセンダントのすぐ上の領域であり、日の出の際には太陽の光によって、そこにある他の星が見えなくなる現象から「隠されたもの」「見えないもの」「秘密」を表します。
神秘や宗教に関するものは9ハウス的であるとするなら、12ハウスが扱うのはオカルトなど、この世界では、まだハッキリと理解されないようなものです。特に、スピリチュアル的なものへの興味として現れることが多いでしょう。
他にも、自分自身の実像の一部を、世間からから隠す状態になりやすく、そうすることで自分を守る傾向があります。あるいは、地上的ではないような、他の領域で自分自身が認知されることもあります。(メディア/スクリーン/世間の評判/アートなど)
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天体の配置バランスからわかること

ホロスコープを作成すると、天体がないハウスがあったり、逆にあるハウスに天体が集中しているといったケースも見られます。

それぞれのケースごとに、何を意味しているのかについて紹介しますね。

ハウスに天体がない場合

ハウスに天体がない場合、そのハウスが持つテーマに関して「運がないの?」と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。

ハウスに天体がない場合は、そのハウスが持つテーマは「人生において大きなテーマではない」ということなのです。

ですから天体がないハウスは、基本的には、あまり大きな波風がたたない領域です。ですから、ハウスに天体がないことは決して「悪い意味」ではありません。

ハウスに偏りがある場合

ホロスコープを上下、左右に分割してみると、どこかに天体が偏っている場合がありますよね。

天体の配置の偏りからは、大まかな個人の性格や傾向を知ることができます。

天体が特定ハウスに集中している場合

ホロスコープの中には、ある1つのハウスに天体が3つも4つも集中して配置されているケースもあります。

ハウスに天体が3つ以上集中し、その天体がグループとして機能していることを「ステリウム」と呼びます。

ステリウムは「天体のグループ」という新しい単位での働きがあると考えてみてください。

ステリウムに他の天体とのアスペクトがあると、そのステリウムは、人生において「なんらかのやるべき仕事、天命」を果たすための役割を担っています。

そのためステリウムは使命を読み解くときに、大きな手掛かりとなってくれます。

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