ホロスコープ上で、特定のハウスに天体が集中している場合があります。一か所に天体が集中していると、何か意味がありそうだと感じますよね。
天体が一か所に固まってる状態は、西洋占星術ではステリウムと呼ばれています。
どういう状態をステリウムと呼ぶのかの定義と、ステリウムの読み方について解説します。
ステリウムとは?
ホロスコープで天体が特定のハウスに集中しているステリウムの定義は、西洋占星術の専門家の間でも見解の相違があります。
・1つのハウスに3つ(もしくは4つ)の天体が集中している状態
・ハウスに関係なく、5~6度以内で星が集まっている状態
などが、よく言われている見解です。
一般的にステリウムと呼ぶときは、おおよそ3つか4つの天体が一か所に固まっている状態を指すことが多く、特定のサインやハウスに収まる場合もあれば、またがることもあります。
私自身も、3つ以上の天体がグル―プとして機能する場合をステリウムという、と考えています。
より厳密な定義としては、日本の占星学研究者である石川源晃氏は、ステリウムを次のように定義されています。
ステリウムはホロスコープの天体がグループになって、アスペクトを形成するような特殊な場合である
ステリウムからわかること
ステリウムの場合は、天体一つひとつの働きだけではなく、ステリウムを形成する「天体のグループ」という新しい単位での働きがあると考えてみてください。
ステリウムがあると、ホロスコープから使命を読み解く大きな手がかりとなります。
なぜなら、ステリウムに対する他の天体とのアスペクトがあると、そのステリウムは人生において、「なんらかのやるべき仕事、天命」を果たすための役割を担っているはずだからです。
とくに、ステリウムのグループと土星以降の天体(天王星、海王星、冥王星)とのアスペクトがあれば、よりその傾向は強化されるようです。
1ハウスに集中するステリウム
一般的に、力強く魅力的な人が多いので、その魅力を活かしていくといいですね。
多くの天体が人格の領域に入ってくるので、上手く使いこなす自制心と忍耐力を身に着ける必要があります。
自分を中心として物事を考えやすいので、他人からの客観的なアドバイスをもらいながらも、自分の在り方を整えるといいです。
2ハウスに集中するステリウム
自分の資質を活かして働くことや、お金を稼ぐこと・使うこと、何かを所有することなどに対して、強く天体が働きます。
うまく使いこなせば成功することもありますし、そうでなければ財政的な危機に陥ることもあります。
3ハウスに集中するステリウム
学ぶことや奇心を満たすことに対して、時間やエネルギーを注ぎます。
次から次へと学んではいるものの、成果につながらないと感じることもあるでしょう。何かを達成したい場合は、抽象度を上げた大きな目的を見つけるか、点を線につなげて伴走してくれるようなサポーターの力を借りるようにしてみましょう。
4ハウスに集中するステリウム
家の問題、家族のこと、心の安定というものに、多くのエネルギーを注ぎます。
不動産に関わる人もいます。家族を心理的にサポートするような仕事をしている人もいますし、歴史などの「ルーツ」に関わることをしている人もいます。
5ハウスに集中するステリウム
自分のなかにいる「子ども」を楽しませることにエネルギーを使います。趣味や楽しみ、何かに取り組むときに、その瞬間に熱中することができるでしょう。子どもと同じ目線で関わることも得意です。
出産子育てを通してその力を使っていく人もいますが、子ども的な創造性が自分のなかにすでに十分にあるため、出産を選択しない人もいます。
6ハウスに集中するステリウム
あまりにたくさんの仕事(とくに他者を手助けするようなサービス業や、労働など)を請負いすぎる傾向があります。
たくさんの仕事を請け負いすぎると、どこかで限界がくることもあります。限界がきたときに「相手や周囲の環境に委ねる」といった、自分の手から離すことを学ぶことが必要なときがあるでしょう。
7ハウスに集中するステリウム
特定の相手に自分の判断を委ねる傾向があるので、相手選びだけは慎重に。
対等な人間関係において、よいパートナーや理解者になれます。その一方、相手に振り回されたり、あるいは振り回したりすることもあるので、定期的に自分を客観的に見つめる時間が必要です。
8ハウスに集中するステリウム
8ハウスは、生、性、金融、死後の世界など、コントロールできないものの領域です。普通の人にとってはコントロールできないものですが、8ハウスステリウムであれば、それに向き合い、付き合い、その人なりのやり方で逆に「支配」していくような生き方になっていきます。
9ハウスに集中するステリウム
9ハウスでは、自分が所属する「正しい」世界から旅立ち、別の世界に関心を持ち、果てしなく遠くまで赴いていきます。9ハウスに天体が多くあると、大きな視野で物事をとらえる傾向があります。
また思考の抽象度が上がりやすく、高度な応用的な議論を展開しがちです。相手に合わせたレベルで、具体的な知識や情報を伝えることもしていくことで、バランスが取りやすくなるでしょう。
10ハウスに集中するステリウム
10ハウスステリウムの人は、自分にとっての権威者、たとえば父親や母親、上司との関係に悩みをもつことがあるでしょう。
上手く使いこなせない天体エネルギーは、他人の形を使って表れてくることがあるからです。時間はかかるかもしれませんが「自分の責任者は自分である」という環境をつくりだせるといいです。
11ハウスに集中するステリウム
11ハウスステリウムの場合、集団や団体の思想を強化してしまいがちです。自分や相手の、ひとりの個人としての考えを置き去りにしてしまうような面がでてきます。
理想に向かってまい進する力があるとともに、極端に走りすぎないように「個としての表現の場」なども持っておくといいです。
12ハウスに集中するステリウム
12ハウスは貢献、奉仕のハウス。前世でも修道院などの暮らしを経験しているかもしれません。ボランティアや、他者へ奉仕する時間を持つでしょう。同時に、ひとりでいられる場所も必要なので、自分のために引きこもることも大切です。
ステリウムとオーバーロードの違い
同じように天体が集中している状態を指す言葉に「オーバーロード」があります。
オーバーロードはひとつのサインに天体が集中している状態を呼びます。
オーバーロードからわかること
オーバーロードの場合、12サインのうちの特定のサインが強調されることになります。
そのため、オーバーロードがあるサインの良い面と、欠点のようなものを同時に表れてきます。
サインの力を上手く使えていると、強力なパワーとなりますが、飲み込まれると許容できないリスクを生み出すこともあります。
だから、オーバーロードを持つ人は、そのサインの扱いを注意したほうがいいとされています。
また、サインが偏っていると、その人の持っている世界観が偏りやすく、周りから見ると「個性的な人」になりやすいです。
オーバーロードを持つひとは、反対側のサイン(オポジション関係のサイン)の性質を補うことができると、人生のバランスが取りやすくなるでしょう。
これまでたくさんの方のホロスコープを見ていて、オーバーロードのサインの性質が強調されすぎると「底が抜ける」状況になることがあると感じてます。
例えばわたし自身も、山羊座に3つ天体がありますが、会社で働き過ぎて過労になり、結果的に「家族の時間を大切にしたい!」「もっと人と感情的な交流がしたい!」と、社会的信用の高い会社をドロップアウトして、突然占い師になりました。
このように山羊座の底が抜けてしまうと、180度反対にあるサインの性質(山羊座の場合は蟹座)も、入り込んでくるようです。