3つ以上の天体によって形成される複合アスペクト。複合アスペクトが作られると、ホロスコープのなかに幾何学図形が出来上がります。この幾何学図形によって、アスペクトの効果は何倍にも強まり、逃れられないほどの強い影響力を発揮します。
複合アスペクトの中でも、幸運を表す配置として知られている「グランドトライン」について、意味やシナストリーチャートでの相性の読み方について詳しく解説しますね。
グランドトラインとは?
英語:grand trine
グランドトラインは、3つの天体による複合アスペクト。トライン120度3辺の正三角形が形成されます。
アスペクトに太陽か月が含まれる場合は8度
それ以外は6度
グランドトラインの特徴
- 3つの天体が同じエレメント(火・地・風・水)に属する
- 惑星の位置が均等に配置されている
グランドトラインの調べ方
- アスペクト表示のあるホロスコープ作成サイトで、出生図(ネイタルチャート)のホロスコープを作成します。
◆ホロスコープ無料作成サイト
https://www.astro.com/horoscopes/ja? - トライン3辺で、大きな正三角形が形成されているか(グランドトライン)を確認します。
- グランドトラインの天体とオポジションの天体があるかを確認します。
グランドトラインの意味
グランドトラインは、のびのびと大きく拡大するトラインの効果をさらに強めたアスペクトです。
アスペクトを形成する3つの天体のサインが、火・地・風・水の4元素(エレメント)で同じエレメントになる場合が多いので、エレメントの意味合いが強くなります。
生まれながらにして持ち合わせている強い力を表すため、グランドトラインからその人の才能を知ることができます。
ですが、強大なその影響を使いこなせず、能力を発揮できないことも多々あります。そのため、扱いの難しいアスペクトであるとも言えます。
幸運を表す配置として知られていますが、その幸運に任せてぶら下がって生きてしまうと、人生全般に”甘え”が出てしまうことがあります。
グランドトラインが幸運のアスペクトと呼ばれる理由
グランドトラインは「幸運の配置」として知られていますが、そう呼ばれるには2つの理由があります。
- 正三角形を形成する
- 同じエレメントで構成される
正三角形を形成する
グランドトラインを形成する3つの天体を結ぶと正三角形が形成されます。
三角形は、エネルギーが流れやすい形です。なぜなら、2点は結ぶと線になりますが、3点を結ぶとはじめて面になり、エネルギーに広がりがもたらされるからです。また4点も面ですが、四角は安定を表し、三角形よりも重たさがあると考えられています。
エネルギーが流れやすい三角形が、線の長さが等しい正三角形になると、ますます天体のエネルギーは円滑に流れ、拡がっていきます。
同じエレメントで構成される
同じエレメントが互いに影響し合うため、エレメントのポテンシャルや特性が強調されます。
エレメントのポテンシャルが良い形で発揮される場合には、「幸運」のアスペクトであるととらえられます。
グランドトラインの活かし方
グランドトラインは幸運のアスペクトとして知られていますが、エネルギーの使われ方によってはネガティブに働く場合もあります。
エネルギー量が多すぎるため、上手く使い切らないと、そのエネルギーが他の部分で使われてしまうからです。とくに他者に使われてしまうことも多く、その場合は自分では制御できないような出来事として降りかかってきます。
以上のことから、占星術においては警戒が必要なアスペクトであると認識されています。
幸運を手にするためには、グランドトラインのエネルギーを活かすための適切な行動や努力が必要不可欠です。もし、怠った場合、グランドトラインを活かしきれず、逆にそのエネルギーに振り回されてしまうからです。
グランドトラインがある人は、能力が高く才能に恵まれているケースが多いです。その能力や才能を使い続け、磨き続けることが必須です。
自分の資質の使い方について真剣に考えて、しっかりと資質を発揮していきましょう。能力に見合ったエネルギーの昇華ができないと、人生の主導権が握れません。
あえて、厳しい環境に身を置く、制限下で挑戦するなどの工夫をしながら、エネルギーをかけるに値する目的を見つけていくことを大切にしましょう。
常に、厳しい環境に身を置く必要はありません。そうした時期を作ることが大事です。
火のグランドトラインの意味
牡羊座、獅子座、射手座でグランドトラインが形成されます。火のグランドトラインを持つ人は、火のエレメントの要素が強く発揮されます。
- 精神に炎を灯し続けている
- 自分でエネルギーを生み出す
- 新たなアプローチを模索する
いつであっても精神に炎を灯し続けているような人で、情熱的で活気にあふれ、創造性に満ちた性格です。ですが、いつも情熱的で華やかな気分であるとは限りません。
燃え続け、変化し続けないと不安になるので、いつも多くのことに挑戦しています。その結果、早く疲れ果ててしまう傾向があります。それでも、休むことや止まることが苦手なのが、火のグランドトラインの性質です。
また、自分自身で焚き火を燃やし続けるような、自給自足的にエネルギーを生みだします。エネルギー源を補給しなくても、自分自身の衝動とインスピレーションがあればいつでもエネルギーを得られると信じています。
そのため、エネルギー源となるリソースについて考えることは苦手です。たとえば、時間管理やお金の管理、健康管理などには無頓着で、あまり煩わされたくないと感じているかもしれません。
エネルギー切れを起こしながらも挑戦し続け、肉体を限界まで追い込んでしまうことがあります。
あわせて、常に新たなアプローチを模索し、古いシステムを一新する衝動を持っています。独自の視点や考え方を持ち、大胆な行動を起こすことがあります。
「後先を考えずに、今、この瞬間を生きる」雰囲気を持ち、常に前進して生きることに喜びを感じます。また、自己主張が強く、自分の信念や情熱に従って行動します。
火のグランドトラインを持つ人の才能
火のグランドトラインを持つ人は、創造力と行動力に優れた才能を持っています。
独自のアイディアやビジョンを表明する能力があり、常に新たなものを生み出すことに興味を持っています。
また、情熱的なエネルギーを持ち、困難な状況においても決断力と行動力を発揮します。その情熱とエネルギーは周りの人々にも感染し、インスピレーションを与えることがあります。
火のグランドトラインを持つ人は、自身の内なる火を燃やし続けることで、独自の才能を開花させます。
地のグランドトラインの意味
牡牛座、乙女座、山羊座でグランドトラインが形成されます。地のグランドトラインの人は、地のエレメントの要素が強く発揮されます。
<地のエレメントの主な性質>
- 4つのエレメントのすべての基盤をサポート
- 「観察による知識」を定式化する
- コントロールできる
- しっかりとした足場」として在ることが役割
地のグランドトラインを持つ人は、時間を大切にします。焦ることなく、ゆったりとしたペースで物事を進めます。忍耐力があり打たれ強く、困難を乗り越えることにやりがいを感じる努力家です。また、控え目な性格で、自分の意見を主張することが少ない傾向があります。
コミュニケーションは、言葉ではなく行動や体験によって行われます。無駄なことを言わず、知識や経験を通じて学びます。あまり自己主張はしませんが、深い洞察力を持ち、深い知識を持っています。
変化に対して抵抗を感じることがあります。
地のグランドトラインを持つ人の才能
地のエレメントを持つ人は、物事を維持し、組織化する能力があります。組織力を高めることが得意なオーガナイザーです。
物事を受け入れ変化が訪れるまで状態を保つことができ、他の人々を受け入れ、信頼関係を築けるからです。また、物事を着実に進めることができる才能を持っています。
風のグランドトラインの意味
双子座、天秤座、水瓶座でグランドトラインが形成されます。風のグランドトラインの人は、風のエレメントの要素が強く発揮されます。
<風のエレメントの主な性質>
- 創造的
- 知的
- 革新的
- 様々なことに次々にチャレンジ
風のエレメントのグランドトラインを持つ人は、知的で柔軟な思考の持ち主です。行動に移す前に情報を集める傾向があります。
周りの人々のマナーや振る舞いを自然にキャッチし、心地よい雰囲気を作り出すことができるので、一緒にいると楽しい人です。また、面白くて機知に富んでいるのでカリスマ性があり、豊富な知識と洞察力に長けているため、とても魅力的な人物だと言えます。
オープンな心で新しいものを受け入れる姿勢を持っています。
風のエレメントを持つ人の才能
豊富な知識と洞察力に長けていて、不確かな状況に恐れを感じません。また、柔軟な思考を持っており、新しいアイデアや解決策を生み出す能力があります。
人々の頭を回転させるような質問を投げかけることが得意で、様々な情報を引き出して、タイプの異なる人々と一緒にいながらも、共通点を見つけて話を広げられます。異なる視点を受け入れながらお互いのつながりを築き、場を楽しい場所にすることができるコミュニケーション能力が高い人です。
そのカリスマ性で周りの人々を魅了するので、影響力を持つことができるでしょう。
水のグランドトラインの意味
蟹座、蠍座、魚座でグランドトラインが形成されます。水のグランドトラインの人は、水のエレメントの要素が強く発揮されます。
- 決まった形や、常に向かうべき定まった方向がない
- 他のエレメントからの影響をもっとも受けやすく、また、必要としている
- 地球上で生命を維持する力
水のグランドトラインを持つ人は、他者への共感力だけでなく、相手を理解しようとする気持ちも強い人です。共感と理解にもとづいて学んでいくこと自体が、水のグランドトラインを持つ人にとっては、ライフワークのようなものと言えるでしょう。
他者が求めていることを、決して変わることのない、大きく圧倒的で断固とした構造としてとらえています。一方で、自分の求めていることは、限りなく柔軟に、しばしば常に変化を必要とするものとしてとらえる傾向があります。
そのため、時に他者に厳しすぎたり、自分に甘すぎたりすることがあります。
自分の問題に向き合う前に、他人の問題を解決しようとしがちなので、このアスペクトを持つ人は、「誰かのために」ではなく「誰かと一緒に」感情を感じることが必要です。
また、急ぐことを好まず、時間をかけて物事に向き合うタイプで、周りに焦らされるのは苦手です。長い時間が与えられているときのほうが、力を発揮します。
記憶力が優れているのも、水のグランドトラインを持つ人の特徴です。まるで映像記録を身体に録画しているように昔のことをよく覚えていて、子ども時代の話を好みます。
水のグランドトラインを持つ人の才能
相手の話を何時間でも聞くことができます。他者への共感力が強く、相手が何かを言う前に、すでに何を言うかを予測しているようなところがあります。ヒーラーやカウンセラー、ソーシャルワーカー、サイキックな能力の分野で活躍する人もいるでしょう。
いつも相手に対して思いやりがある人で、思いやりから何かをするときが、最も力を発揮できます。その結果、多くの人を癒していける人です。
また、想像力と記憶力にも優れています。そしてその内容を、他者に伝えていきたいと願っています。
過去の記憶を大切にし、未来の世代に伝える役割の人です。人々に自分の記憶や感情を通じて、物語を伝える力を持っています。過去の出来事を語り継ぎ、その記憶が時間の経過とともに癒され、変化していくことを理解しています。
水は流れ、変化する性質を持っているため、このアスペクトを持つ人の仕事は、過去をそのまま維持することではなく、未来の世代が受け継ぐべき物語として正確に伝えることにあります。
エレメントが異なるグランドトライン
オーブが1度以上あるときは、異なるエレメントのサインの天体が加わるケースもあります。
たとえば、牡羊座29度、獅子座29度、山羊座0度のグランドトラインは、オーブ1度ですが、火-火-地のグランドトラインになります。
こうしたエレメントが異なるグランドトラインの場合は、エネルギーのエレメントの偏りが少なくなります。場合によっては同じエレメントだけで構成されるグランドトラインよりもバランスがとりやすく、取り扱いやすくなることがあります。
例えば、火-火-地のグランドトラインでは、情熱や創造性(火)と安定性や実践力(地)が結びつきます。この組み合わせの場合は、情熱的な行動力を地のエネルギーを通じて現実化し、堅固な基盤の上に成果を築くことができるかもしれません。
とはいえ、トラインだけではアスペクトの性質として伸びやかさはあるものの、着地させていくのは苦手です。グランドトラインにセクスタイルやスクエアといった、現象化の得意なアスペクトで他の天体が関わると、火―火ー地のグランドトラインが、より活かされるかもしれません。
このように、エレメントが異なるグランドトラインの解釈はケースバイケースとなります。
シナストリーチャートの相性は?
シナストリーチャート(相性図)で相手の天体と自分の天体がグランドトラインを形成している場合、2人の相性はとても良いです。
同じような気質や興味を共有しているので、ほとんど喧嘩をすることはないでしょう。一緒にいてトラブルが少ないですが、一方で刺激も少ないかもしれません。お互いにのびのびと一緒に過ごすことができる関係性を築けるでしょう。
複数のグランドトラインを持つ場合
ネイタルチャートで、グランドトラインを2つ持つ人はとても少ないです。3つ持つ人は、ほとんどいないでしょう。なぜなら、基本の10天体で3つのグランドトラインがある場合、9つの天体がグランドトラインを形成することになるからです。
グランドトラインが2つある人
グランドトラインは1つでも、エネルギー量が多すぎて、エネルギーの使われ方によってはネガティブに働く場合があります。グランドトラインが2つあるということは、さらにエネルギー量が多くなるため、エネルギーを使い切るための努力がさらに必要になってくるでしょう。
また、グランドトラインが重なり、グランドセクスタイルを持つ人もいます。
※グランドセクスタイル:2つのグランド・トラインが重なりあって六角形になるアスペクト。すべての天体がセクスタイル=60度かトライン、あるいはオポジション=180度で結ばれています。
グランドセクスタイルは、最強の吉角のアスペクトと言われることもありますが、グランドトラインと同様、天体の持っている総合エネルギー量が非常に高いので、うまく使い切れない、昇華されない場合は、グランドセクスタイルのエネルギーが自分のコントロールできる範囲外から、宿命的な出来事を運んでくることあります。
グランドトラインが3つある人
トリプルグランドトラインと呼ばれるグランドトラインが3つ形成されるケースは、基本の10天体だけではほとんどいません。ですが、アングルや小惑星などの感受点を含めたアスペクトや、シナストリーチャート(二重円)やトランジットチャート(三重円)のときに現れることがあります。
グランドトラインとカイトの違い
グランドトラインと関連のある複合アスペクトに「カイト」があります。
カイトは、グランドトラインの天体の一つとオポジションを形成する天体とあわせて4つの天体で形成される複合アスペクトです。
グランドトラインは、エネルギーの流れが円滑になり、循環が増えますが、グランドトラインの一つの天体とオポジション(180度)を形成する天体が結びつくのでさらなるエネルギーのダイナミクスが生まれます。
グランドトラインのエネルギーは、使わないと予期しない形で使われてしまい混乱を招くので、強すぎるグランドトラインのエネルギーを使うのに、緊張感や集中力をもったオポジションが加わわるカイトは、とてもバランスが良いと言えます。
グランドトライン単体に比べると、成長や発展の可能性が増えて、グランドトラインのエネルギーを上手く使いやすい配置であると言えます。
ただし、エネルギーを使いきるには「人生をかけた取り組み」のような壮大な目的が必要です。カイトを持つ人は、そうしたものを見つけられるといいでしょう。
カイトを持つ有名人には、アーティストの藤井風さんがいます。
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